第81章 結び
その時の周囲の反応
「手術が必要な時点で大したことだと思う」
『うんうん』
アスフィ「気を遣わせたくないからだって、私だからわかるけど
誤魔化されたりなんかはしないんだからね!!」ジロッ!!
ケイト「べ、別に誤魔化してなんかは
アスフィ「誤魔化してる!!(ずいっ!!)
だってずっと無理してるもん!!
普通諦めるもん!!
諦めないでくれたもん!!!←反対側の手(左手)で反対側の木を掴み、必死に右手を伸ばす姿が浮かぶ
(やった、と顔をほころばせた直後
木が雪崩のように襲ってきて飲み込まれる
崖の上部分でのことで、崩落に巻き込まれた)
絶対忘れないんだから!!!
絶対絶対絶対!!!!
私の…一番大好きで、大事な人なんだもん
再会した時…
「どうしよう!
お母さんがなくなっちゃった!!
形見になっちゃったよおおおおおっっ」ぼろぼろ涙
「好きなだけ泣いたらいい(そっ)←黙ったまま肩に手を添える
付き合うから」
「わああああああああああああああああああ!!!」
抱き締めて、悲しそうに表情を歪めて、頭を撫で続けてくれた
本当に優しい人だって知ってるんだから!!!
絶対諦めない!!
油断してたら横から掻っ攫うんだからね!!!
覚悟してなさい!!!」
骨が見えるぐらいの大怪我で、あざもそこかしこにあって、虐待の傷も混ざってたと思う
でも誰も気付かないの
見たらすぐわかるぐらいなのに、勝手に決めつけてくるの
でね…ケイト自身も、何も言わないの
誰にも言わないのよ
ずうううううっと、だんまり…
その時、分かったの…誰も頼りに思ってないって
すっかり(理解を受けることを)諦め切ってる目で
でも…
「手術!?
嫌だ!お金がかかる!要らない!!」
そう言って聞かなかったし、
血は止まってはいたけれど、このままじゃ危険だって声が聞こえて
普通なら局所麻酔でするんだけど、いやだ!全力で暴れる!って言ってたから
全身麻酔でって話になって、全ての怪我の処置が終わったのは夜遅くだったの
晩の10時近くだって聞いてるわ
その頃には私はお母さんに連れられて家に帰ってて
帰る前の晩7時に約束を取り付けたのよ
麻酔で意識が朦朧としているのもわかった上で、婚約者の約束を――
結局…その時も、名前も、何も聞けなかったの……名札も取れてたし