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Unlimited【ダンまち】

第81章 結び





一生できない
したくない
嫌なこととして――既に構築されてしまっているから

壊れないほどに、もう――下地が出来上がってしまっているから

たった一つの土台、主軸として


それが壊れれば――恐らく――ケイトという自我はなくなり、魂も消滅し、死に到らしめるだろう



ケイトという魂がなくなれば全ての世界は虚無に帰す



人を介して愛せたらと思った

だが――甘く見ていた


他ならぬ君自身が、『自分を愛すること』を嫌う
その感性(感覚)を、感情(心)を、否定してしまった

そう受け取られるだろう



どう返すか――



決まっている



ただただ愛し抜くことしか出来ない

そう決めて、僕らはここに居る
ずっと居ると決めたから


傍に居ると、決めたから



自分の嫌いな部分も、好きな部分も、まるごと愛せるように
自分を愛することが、自分を大事にすることが、嫌いでも、
ちゃんと愛し、大事に出来るように

自分を許せない、嫌い
それを自覚した後が問題だ

自分を見せていないから、見えていない自分ごと愛してもらえているとは思えなかった


そのことと、どう向き合っていくか
どう付き合っていくか

見せていない自分まで愛してもらっているとは思えない
愛してもらっているのは、見せている自分がこうだからだ

だから自分を丸ごと愛してもらっているだなんて思えないし
自分で自分を丸ごと愛するだなんてもっとできない



だが本当にそうか?

全部が全部、見せる必要はあるのか?
上辺がどんな形であれ、必ず配慮しようとする優しさは、その主軸は、中身は、君の根幹であり、君の源水(みなもと)ではないのか?

それこそが、本来の君自身ではないのか?


どんなに嫌いなものへ流れようとも、決して忘れない主軸を愛されることは、それ以外の全部も愛されているのも同じではないか?



フィン「君は何を認めて欲しい?
何を受け入れて欲しい?」

ケイト「……」

それに口を開き、また閉じてから…幾数秒か逡巡した後、ようやっと口を開いた


ケイト「はなれないで


ぜったい――はなれないで

おいてかないで
きえないで
しなないで


こまらせるだけだってわかってる
こんなこといったって」

フィン「うん、うん←頷いて頭の上に手を置く

でも前に進まなきゃと思ったんだね?」なで


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