第81章 結び
だから…『自分を大事にすることを極端に嫌ってしまう感性』を持っている
持ち続けてしまう
それは決して――悪いことではない
だが…
だが……
あまりにも―――――重過ぎる
僕にとっても…君を大事に想う者の皆にとっても………‥
俺を好きになる人なんている訳ないだろう――
いつだったか…
冷たい眼で、遠くを見据えて、呟いていた心の声が…隣に居た僕の魂にまで木魂した。
俺はいない方がいいのだと――強い想いまでもが
俺にとっての俺という想い…
それはきっと…死なせてしまったこと、守れなかったこと、生前の時に亡くなった後程の幸せを齎せなかったこと
それぞれの負い目が齎しているのだろうと推測できる
想いはわかる…
だが……だからと言って、話は別だ
自分を蔑ろにしていい訳には決してならない
人を蔑ろにしていい訳にはならないのと同じように…
放っておいたら死んでしまいそうで…それが一番恐い
実直で責任感が強いから……
ケイト「たとえ何があっても――絶対に」
決して譲れない軸なんだろう
誰がなんだと言おうと…誰がどれほど君を愛そうとも
君という本質で、主軸なんだろう…心の、魂の!
それは凄いことだと思う…
それ程に人を愛することも、その為に自分を犠牲にすることも、投げ出すことも…
壮絶な人生を歩んできた賜物だとも、それ故のものだと…ちゃんと知っている……
知っている――
だが―――――(ギリッ!!)←歯ぎしりする
それでも――――――――
生を望んでしまう
自らに死を与え、人に生を与えるやり方では無くて
自らにも人にも生を与えるやり方を取って欲しいと、望んでしまう
俺はいない方がいい――
そう本音が透けて見えるそれ(ケイトの在り方)に、苛立ちが増した
僕自身にも!!←再び歯噛みする
君自身が…そうやって自分に無理を強いる性格だということは百も承知だ
その上で、結婚を選んだ
そうしてでも守りたかったんだ
お前が無事で幸せならそれでいい^^
そんな、人一倍心配性で…優しい君を――
その想いを、君は無視してしまっている
意図せず、そんな想いも無く…
辛い目に遭って欲しくないのは…こちらも同じなのに……
すれ違いの一方通行に…歯がゆさが増すばかりだった