第14章 遠征
リヴェリア「呆れた展開速度だな…;」
ケイト「どのモンスターでも一瞬で倒せるようにやったから。
通行の邪魔をするのはそれで回収できるし、ドロップアイテムもちゃんと空間収納のかけられた場所に入れれるし」
フィン「………
今までの常識がいい意味で覆されていくね」深々嘆息&額押さえ
リヴェリア「ああ。より最短に辿り着きそうだな」
ケイト「完璧に身に付けるまで3日もだよ!?」
フィン「わかった。わかったからとりあえず落ち着いてくれ;」手で制す
リヴェリア「フィン、経験を積ませる為に中層からは歩きで行くか?」
フィン「ンー…そうだね。
帰りはその間がないだろうから、今の内にやっておくのもいいかもしれない。
いずれにしろ、12時には50階層に着くだろうからね」
リヴェリア「わかった。皆にも知らせる」
ケイト「…」
そんな会話が目の前で広がる中、遠征前のフィンの言葉が思い浮かんだ。
フィン『総員、これより『遠征』を開始する!』
その一声だけで、全員が表情を引き締めて前を向いたのを感じた。
と同時に、フィンが皆の精神的支柱であることを悟った。
その瞬間、ある考えが頭をよぎった。
恐らく…フィンがやられれば士気は著しく下がり、最悪全滅にも繋がり兼ねないと……
フィン『階層を進むにあたって、今回は部隊を分けずに馬車で乗り込む!
僕等の目標は他でもない、51階層とこのダンジョンの第二の入り口を見つけ出すことだ!!』
団長の宣言が、その場にいる全員の耳を震わせる。
フィン『君達は、『古代』の英雄にも劣らない勇敢な戦士であり、冒険者だ!大いなる『未知』に挑戦し、富と名声を持ち帰る!!
犠牲の上に成り立つ偽りの栄誉は要らない!!全員、この地上の光に誓ってもらう……必ず生きて帰ると!!』
団員達がグッと拳を作る中、頭上の青い空にしばしの別れを告げるように
フィンは大きく息を吸い込み、号令を放った。
フィン『遠征隊、出発だ!!』
【ロキ・ファミリア】遠征開始。