第80章 願い

抱き締め合う中…

始祖神『お互い、自分の『願い』の為に、「後始末や皺寄せ」を着せる生き物なの
だからこそ…』

ケイト『ああ…わかっている

互いに…『減らそうと努力しなければならない』

それが…その『心遣い』こそが、『生きる（生かす）』ということだから
『それ』を「怠る」ことが、「人を、己をも殺す」ということなのだから


『全てを生かす為にも…己の為にも…必要となる努力』
『それ』を「怠り、成長を止め、願いのままに、その想いの強さのままに、暴走を繰り返し、堕落した存在」…

それが…「癌」だから


それを教える役割が…顯らかにして、解き明かして、伝えるのが…俺の使命だから――



本来―――顯子（あきこ）として、その「癌（消滅）」との『線引き』を顯（あき）らかにする…俺の、（ぐっ）………





俺の―――――――








次期始祖神としての宿命であり、剪定者として避けられない定めだから』








始祖神『……


その通りよ』

かっ←始祖神の紋様が額に浮かび上がる


始祖神『だから…勝手に死なれては困るの。

あなたをも…あなたが、勝手に扱ってはいけないものだから
それを学ぶ為にも来ているのよ』

ケイト『俺は…どうしたらいい……

諦め切れない想いを、無視して、前に進むべきなのか
捨て置くしかないそれに、絶望するしかないのか、希望を持てばいいのか』

始祖神『それはあなたが決めること…あなたの課題

それに…あなたはもう、答えを掴んでいるでしょう？』
始祖神＆ケイト『『諦めない』』微笑


始祖神『…ね？（微笑）
ふふっ^^』

ケイト『……‥（微笑）
ああ…（目を伏せ微笑）

変わらない、な…^^ふふっ


俺は…憎い対象と見てでも、諦めようとしていた…

でも…そうじゃないんだな……』
こくり

ケイト＆始祖神『『人を信じ、見守るのもまた…成長』』

ケイト『諦めて、癌は癌だと、消えゆくもの、移ろい行くものだと…
消えるのだから…情を抱いたり、心を開くのも無駄だと…
逆に、自らも、人をも、癌による染色に、脅かされることになってしまうから』
始祖神『そこはそう

でも…あなたは一つ、勘違いをしている


それを決めるのは…その終わりを定めるのは、自らであって、神が定めるものではない

全ては本人が定めるものなのよ』