第80章 願い
想定してたらタダでは済ませなかった
とばかりに嘆息をつく中
モコナの変だよ、という謎に…ファイが静かに答えた
ファイ「…ですよね?」
涙「……はい」
『!!』
桜「そんな…っ!
じゃあ…ケイトさんは」
黒鋼「俺達が何もしなけりゃ、一生このまんまってことか」
小狼「……‥」ぐっ!!←歯噛みし、拳を強く握り締める
モコナ「そんなの、絶対嫌だよ!!」
ファイ「俺も嫌だよ…絶対に」
涙「……二つ、報告したいことがあります」
黒鋼「何だ?」
涙「…
一つは…シャオランとサクラの魂は、人としてのものとなりました
そして…復活する体もまた、人としてのものとなります
二人共、復活した瞬間から、写し身としての記憶があるままに、人としての肉体と魂を持って、人として死ぬ最後の瞬間まで共に、人として生きれるようになった
そのことが一つ目の報告
そして…二つ目が………‥」
黒鋼「何だ?勿体ぶらねえでさっさと言え」
涙「彼女の癒えない傷を消すには、対価が必要です…
あなた達に、支払うことは出来ますか?」
小狼「俺に出来ることなら!」
黒鋼「無論だ、言われるまでもねえ
散々心配掛けやがって、起きたら殴ってやる」
ファイ「黒様乱暴~^^
俺も…やれるだけのことは全てやるつもりです」挙手微笑
モコナ「モコナもモコナも!!」
桜「私にも…させて下さい!」真剣
涙「わかりました…
癒えない傷が癒えることは…私の願いでもあります…
あなた達に降り掛かる対価が少なくなるよう、私も務めましょう
そして…叶った暁には、褒美を取らせます……
安心して下さい…
あなた方の魔力を無尽蔵に回復するだけのこと
そして…同じ魂が存在しても、ひずみや歪みを与えないよう……
いえ、それは、神の力で既に実行済みのようですね……
モコナを介して、この世界に来た瞬間から…いえ、市民カードによる結界で」
『!!』
小狼「…そうか……だから」
桜「悪影響を防ぐ結界機能!」はっ!
ファイ「あー…なるほど、だから……
呪いが発動しないって妙な確信があったんだねぇ
何時頃からだったか定かじゃなかったから断定は出来なかったけど」
黒鋼「どこまで計算してやがんだよ;」
ファイ「つまり…市民カードがなくなっても未来永劫大丈夫なようにって願ったから、こうなっちゃった訳か」