第80章 願い
・心配された理由
ケイトの分の対価が釣り合わなかった
黒鋼「俺達のことばかり気に掛けて
気付かねえ内に、自分の分に降りかかる対価を…」
ファイ「力押しで出来ても、対価が足りてなかったってことだねえ
俺達への配慮、自分の願いでもあるから、教わった大事なもの…それらを全部注ぎ込んでも、足りなかった」
涙「体が死ぬのではなく、解ける理(宿命)にある写し身の魂
それを理ごと移し変える対価
それも二人分――
人として生き、致命傷を負っても消えることもない、普通の理の人間
そうする為には、魂ごと置き換える必要がある
中身はそのままに――!」
小狼「俺達に出来ることは――!」
涙「対価を払いなさい
ほんの少しよ、そうなるように頑張ったから
全ての力をとしてでも
だからこうなった←血を吐き倒れる場面が映し出される
大丈夫…治るわ、ちゃんとね」
ファイ「なるほどお
写し身の理は魂に宿っていたと」
桜「!
だから…理ごと置き換える必要があったのね」
ファイ「最初に説明してくれたらいいのに」
涙「全部一人で賄える気でいたんでしょう
神の力を、対価にして
体分はなんとかなったわ、体分は、ね」
黒鋼「問題は魂か」
涙「ええ、その分が
例の全てを注ぎ込んでも足りず、体に決して揺るがない、癒えない傷を刻まれた
あなた達がこれから払うのは…それを消す対価、という所ね
と言っても…
残りほんの僅か、といった所です
多めに見積もって用意していたようなので
あなた達に降りかかる対価が少なくなるように願っていた
本来ならば、人一人の命を対価にしないと叶わない願い
それを、力が補ってしまった
写し身を人間に置き換える――魂も、肉体も
神の無限大の力…それを対価にしても魂一人分にしか満たなかった
だから、自身の体で払った
消えない傷として
大事なものでなければ、対価にはなり得ないから
教えてもらった大事なものを対価に、5人に降りかかる対価が減るよう願っていた
それ以外の全てをとしても、足りなかった
二人分だったから
同じ世界に、同じ魂を持つ人間は、本来ならば存在できない
関係性を対価にしないと釣り合わないものだから
癒えない傷という対価を伴った」
ということらしい
いや…
そこまでは想定し切れてなかったぞ……?;