第80章 願い
クロウ「いいえ、違う存在ですよ
私の教えに、真剣に耳を傾け、考え、寄り添った
だから……ああなったのでしょうね」
侑子「そう…
思わず見間違えるぐらいに、そっくりだったわ」微笑
クロウ「ふふふっ^^
あの子達は、真面目ですからね」微笑
侑子「小狼達と四月一日と同じ存在だから…かしらね
本当に、直向きで、一生懸命で、真面目
…あなたとは違うわね」じと目
クロウ「魂から違いますからね^^
根本から
大丈夫ですよ…あの子達なら」
侑子「ええ――そう、信じているわ」不敵に微笑む
クロウ「…
(すっ)←前に屈む
いきましょう?」微笑、手を差し伸ばす
侑子「ええ――」手を伸ばし取る
静かに微笑みをたえ、侑子はあの世へ向かった
空間の狭間から、決められた摂理の元へ――
おかえりなさい
小さな声で、迎えられたと言う
待っていた、大切な誰かに
あなたには居ますか――?
待ってくれている誰かが
共に居たいと望む誰かが
大丈夫…
きっと、待っていてくれるから
あなたを生かし、共に居たいと、生きたいと願う者が
きっと、居るから―――
最後の英雄――ケイト
その名は、モンスターと人間との溝を埋めることに尽力し、知性あるモンスター、魔族との共和を臨み、実現させた、初めての傑物であったと刻まれている
希望を齎す存在として――救世主として―――
後に、モンスターは全て、テイムモンスター以外は撲滅されることとなる
迷宮と竜の谷以外は…
迷宮と同じく、竜の谷を結界で囲んで大丈夫な場に無理やり変えた
竜が外に出て壊して回っても、それは異空間のみでこちらには何の影響も及ばないと言う
科学文明と魔法文明の大陸間にも、一つとなった時から不思議な亀裂、境界線が引かれており、モンスターが立ち入れないようになっていたのでそれを応用したとのこと
異空間トンネルで観光するまでになった……
そうした変化もまた、粛々と受け入れられていった…
最後の英雄がなし得たものは非常に多く――
建国神話として語り継がれてゆくことになった
そしてそれは――人類に数多くの遺産を遺した
癌の定理は、人類の永遠のテーマとして数えられるものとなった
その遺産の数々は…全て、共和時代の礎(いしずえ)となり…人類の、世界の支えとなり続けたと言う――