第14章 遠征
祈りを捧げる前に、一つだけ尋ねた。
フィン「どうして…形もないものを信仰したいんだい?」
ケイト「?」
フィン「実在しないのは、わかっているだろう?
どうして…君はそれを信仰する気になった?」
ケイト「…逆に聞くけど、形が無きゃ信じられないのかな?」
フィン「?」
ケイト「フィアナの話を聞いて、私は思ったんだ。
こんな私にでも、受け継がれてきたものは確かにあるって。
心は、想いは…変わらない。
環境で歪むことだってある。
でも…それ以上に、譲れないことだってあるはずだ。
心に形はあるようでない。少なくとも、『目には』見えない。
なら、目の前にいる神様よりも…受け継がれてきた神様を、私は信じたい。
目に見えない、感じない、傍にいない…それだけで、それを捨てたくはない。
捨てられる人になりたくない!
長年に渡って受け継がれてきたものを捨てたくないっていう我がままだ。というかそれに近い。
少なくとも同情なんかじゃない。
受け継がれてきたものを、勇気の象徴であるフィアナを信仰したい。
長い間、ずっと…うまく言えないや^^;
はっきり言うとさ…目に見える形のあるものより、人の愛だったり見えないものの方がよっぽど多いでしょ?
私はそう思う。だから…信じたい。ここ(心)にいるって、信じて戦いたい!
人の心の中に居る『勇気の灯』…フィアナはそれだと思った。
何千年も受け継がれてきたものと、実在する神、どちらを選ぶかと言ったら付き合いの長い方を選びたい。
私はさ…実在する神様よりも、人をずっと支えてきた神様を信仰したいんだ^^//」
フィン「はっはっはっはっはっ!!^^//」
ケイト「え?;何?;
私また変なこと言った!?;」
フィン「ああ、言ったよ。最高の答えだ!//」くすくす
ばしぃっ!ばしぃんっ!
半ば乱暴に背を叩く中、ケイトはその意図がわからないようでひたすら「?」を浮かべていた。
それから揃ってフィアナへの祈りを終えた後、食堂に行き
食べ終わった頃に変化が現れた。