第79章 合一の先
偉大なる先人――エヴァン
そう書かれた墓へ
3人を埋めた
もう―――離れないように
墓を前にしての言葉だった
あれから数分さえも経っていなかった
それ程に…始祖神が異空間に与えた余波は凄まじかった
時間の流れを変える程に……‥
なるほど…外では使えないな
そう思うも、リヴェリアは始終浮かない顔をしていた
尋ねると…「覚醒が始まる」、ぽつりと呟かれるだけだった
フィン「?どういう…」
ケイト「っ;」ずきっ!!
異世界にて
侑子「覚醒が始まる――←星空を見やる
内から目覚めるものでもない
元からあったのよ
覚醒とは、その自覚を意味するの
新たに目覚めるものでもないわ
覚えておいて
たとえ苦渋の決断だとしても
決して――無駄にはならないことを
ごめんね―
あなたは――あなたでは居られなくなるかもしれない
辛い選択を選ぶことになる
どちらにとっても辛い選択を―――」
ケイト「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」瞑目し頭を両手で抱える
フィン「!!!
ケイト!
どうした!!?」
ケイト「痛い!
痛い!!!痛い!!!!
頭が…割れそう、にっ」ふらっ←目を細め頭の右側を右手で押さえ
ふっ←意識を手放す
バタッ←膝から崩れ落ちる
倒れ切る前に、僕が跪いて滑り込み抱き止めた
フィン「何が起きている!?」ばっ!←リヴェリアに向き直る
リヴェリア「………←浮かない顔を向けたまま
……←瞑目する
ただの、覚醒だ
(始まったか…)
夢で見たんだ
精霊神にあった…初まりの、精霊神に
鹿の形をした――
その時に、見せてもらった
始まった所を…幾多もの、異世界を―――」
フィン「……」瞠目
リヴェリア「……
全ての世界を一括で管理できる
それに特化している、微調整にもな
だからこそ知っていた、このことも…
これから後に起こることも←瞑目
どうしても避けたかったことも…」歯噛み
侑子「まだ手はあるわ
まだ…限られてはいるけれど」
あなたは――何を望むの?
無理強いであってはならない…
それは…己も、人をも不幸にする
人を無視した願い程、残酷なことは無い
だから癌は――歪めるものとなる