第79章 合一の先
そして彼は答えた――
生きると
生きる為に…命を捨てず、お返しすると
自分さえも、許せなくなっていた
そのウジを止められなかった
こんな―無力な俺を
それごと全て消えてしまえばいいとさえ…思ったんだ
始祖神が妻に降臨して助けてもらった命
授かりものだから…
貰った命を捨てるのではなく
貰った命を、お返しする
そう自分で決めて、自分で動いた…
あの言葉と…想いを受けて……
フィン「あの時(始祖神が降臨した時)…自我が消滅したかと思って心底心配した
本当に…消えるかと思った(ぎゅっ)←ケイトを抱き締める
なくすかと」瞑目震え落涙
ケイト「必ず生きて、お前のもとに戻る
約束するよ?^^
お前が、いてくれるから
絶対――」
フィン「大丈夫だよ、か」微笑
ケイト「うん!^^」抱き返す
ケイト曰く、エヴァンを喪った時…
自分の片割れを無くした感覚に陥ったそうだ
自分と同じ道を選んだ同志だから…と
ケイト「正しい目的だからって、何やっても許される訳無いだろ?
体の傷は治る
でも心の傷は一生消えない
心が無事だから、体を滅茶苦茶にしていい訳でもないだろう
体が無事だから、心を滅茶苦茶にしていい訳もないだろう
心も体も、出来る限り大事にしないと
人も、自分も
一番大事な根幹は、そこだと思う…
100点の人をマイナス100点だなんて評価に歪めたら、全員マイナス100点になる
私が癌なら皆癌と言われた真実」
だが…癌について、変わったことがある……
ケイト「癌に心を開いてはダメ!!!」
かっ!!
額が光って、体が動かさせられた
ケイト「染まってしまう…」かたかた←腕をさすって青ざめながら震える
悲しそうに顔を歪ませながら言った
始祖神のローブが目覚めてから……
幾分かは変わった
いや…かなり変わった
ケイト「認識を違えるな
繰り返すな
人は…自分の感情と認識で、実際の真実を歪める
周りの感情と認識を、事実を歪め、その者達と向き合えなくさせ、合わすことも寄り添うことも出来なくさせてしまう
そして好きに扱い、決め付け――「癌」となる」
ケイトではない声で、言われた
あの理解に創世神(原初の神々全員)が頷いていたらしいが…そうする訳だ(納得)←4388ページ参照