第79章 合一の先
その男の名は――エヴァン…今日、天に昇ったものだった
ケイト「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
着る主のいないローブを、その場に崩れ落ちて抱き締めたまま…滂沱の涙を流す
滂沱の涙が次々に溢れては零れ落ちてゆき
煤けたコートが濡れ、跡を残していく
まるで…雨のように
その刹那、声が聞こえた……
こんな俺を…好きだと言ってくれた
救われたよ…本当に……
ごめんな……
お前の望む形では無くて………
ケイト「そんなこと!!」気にしなくていい!といった顔で真っ直ぐ天を見据える
ありがとう………
俺はもう…十分、生きた……
だから…
(ふっ)←笑みをたたえる
お前も…生きてくれ……←穏やかな微笑、優し気な眼差しを向ける
幸せになってな?^^
そんな想いが、静かに伝わってきていた
ケイト「お前もな…←微笑
エヴァン←涙が一筋、左目から零れ落ちながら微笑する
本当に…ありがとう
出会えて、よかったよ」ぎゅっ←辛そうに瞑目
再び、ローブを抱き締める
そのケイトに…そっと僕等は寄り添った
リヴェリアはケイトの左肩に手を添えて、僕は正面に立って…そっと涙を拭った
フィン「ケイト…そのローブはどうするんだい?
持っていてもよさそうだが…(使えそうではあるし」思案中
ケイト「ううん…
墓に埋めるよ?
あの人の妻と、子の所に…
殺された5歳にも満たない子…
やってもいない罪を擦り付けられた妻…
2人の亡骸と、共に――
その方が…嬉しいだろ?(微笑)
どうか――あの世でも、この世でも…一緒に……‥幸せになってね?(そっ)←静かにフード付きのローブを横たえる
(なでなで)←そのローブを、静かに撫でた
お疲れ様――
頑張ったね←手を添えたまま微笑
ゆっくり―休んでね←なで
ずっと守ってくれて―ありがとう」瞑目微笑すり
煤けたローブを手に、感謝するケイトに
静かに光が揺れた
その時――ローブが、本人の骨へと変わった
こうして―ローブは、神国で初めての墓に納まった人として埋められた
偉大なる先人――エヴァン
そう、名を記されて――千年もの時を経てもなお大事にされ、愛され続けたという