第79章 合一の先
ケイト?「時壊(じかい)」
「動けん!
何故だ!?
何故
何故――!?
原初の神の力だぞ!!?」
光ったままの左手の人差し指の先を向けて力を放つ
それに酷く狼狽し、叫び散らす
ケイト?「所詮は上辺
本人には及ばない」
「ほん―にん!?
誰だ貴様は!!?」
ケイト?「――
始祖神
ただの、始祖神」
フィン「!!」
始祖神「上辺ばかりなぞらえるだけでは、辿り着けはしない」
淡々と冷酷に言い放つ言葉に、凄まじい重みを感じさせられた
始祖神が憑依していた
目は虚ろで、しかしはっきりとした自我を持っていた
1兆5000億年…←4247ページ参照
たかが数億年では到達等出来ようもない
始祖神「お前では…
創世神にも、始祖神にも、――にも、なれはしない
返してもらうぞ」
「ずくんっ!!)
うがああああああああああああああああああああ!!!!」
逆になす術もなく吸い尽くされてゆく
異空間にヒビが入り、フードの人物の力もまた同様に強制的に解され、消失してゆく
暗闇に覆われた異空間が、何も無い白い無機質な異空間となった
フードの人物が力無く倒れ伏す中
変わらず、浮いたままで
始祖神「人の身には過ぎた力よ←左手の掌上に球状に回収
(ぐっ!)
――になれるのは、此奴(こやつ)だけだ」
――とは何だ?
聞き取れない!
奪われた力を回収し、握り潰すようにして戻した
それに
フィン「ケイトをどこにやった!!?
ケイトを返せ!!」
その叫びに
虚ろな目のまま、こちらを見やった
フィン「!!」ビクッ
思わず身震いが走った
底冷えする声が、木霊する
始祖神「汝にとって――こやつは何だ?」
フィン「大事な人だ!!
僕の!一番大事な人だ!!!」
始祖神「――」
虚ろな目で瞬き、見定めるように凝視する
始祖神「ふっ」
きっかり5秒後、笑みをたたえる
ふらっ
すうっ
全身を包んでいた光が消え、絶えず輝いていた額の光が僅かに揺れ、少しずつ収まってゆく
その中で、後ろへと倒れ、落ちていった
そのまま、力が解けるようにして、光が糸のようにまばらになって、周囲へと溶けていった
フィン「ケイト!!!」
ばっ!!
走って受け止め、横抱きに抱えた
突如、左手に集中された力を携えたまま、左肩に触れられ、声をかけられた