第79章 合一の先
フィン「ほっ(震)←抱き止めたまま震え、安堵の息を漏らす
よかった…
取り戻せたっ」瞑目微笑
腕の中の温もりに、酷く安堵した
そう双眸から涙を流すのも束の間…
ぐっ!!
始祖神「まだ油断するな
まだ終わっていない
終わらせるな
――約束の刻(とき)まで
今はまだ―先のこと」
突如、左手に集中された力を携えたまま、左肩に触れられ、
虹彩と瞳孔を光らせたまま、ケイトの体が呟いた
それは始祖神…かの神が動かしたが故のもの
体から抜け出たケイトの姿をした始祖神
それは…ケイトの肉体と分離し出した
ケイト「よく―聞こえない
理解、できない)
なんて、言ってるの?」ぼー
始祖神「全て――刻(とき)が教えてくれるでしょう
おやすみになって」なで微笑←額を優しく右手で撫でる
ケイト「うと)……←瞼を重たそうに目を閉じる
すーすー」
始祖神「おやすみなさい、愛おしい子」チュッ←額に唇を落とす
フィン「その先とは何だ!!?
答えろ!!!」
始祖神「今はまだ―知る必要のないことだ」
ふっ
ケイト本体の目から光が消え、完全に途絶えた
フィン「くそっ!!!!!」
だあんっ!!!!!
始祖神「――の、声が聞こえぬ内は
任せられる相手がいないだけです
折角の授かりものを粗末に扱うのならば
私が回収して…
その世界を消すだけのこと
簡単な話でしょう?(にこ)
そんなに存続したくないのであれば、好きにしていただいて結構です
それ相応の責任が降りかかると思えもしない癌達には、渡したくはございません^^
それだけのことですよ
信頼に値する人達、だから――預けているだけに過ぎません
そういう中身のない人は嫌いですよ
癌さん
もう回収します
だって――あなた方には不要でしょう?
自分の思い通りになる駒以外、必要としてはいないのだから
消えなさい」
それを、癌達に伝えて欲しいとのことだった
ケイト「すーすー」
始祖神「……大丈夫
大丈夫です」
瞑目し、微笑を携えたまま、頬へ頬を擦り付ける
始祖神「その時は、きっとすぐ
そこに」
フィン「ケイトを返してくれ!!」涙
始祖神「ええ、返しますよ←微笑
あなたならば、信頼が置けます
ごめんね
これからも、きっと…辛いことがいっぱいあるかもしれない