第79章 合一の先
悪人を悪だと扱う
それは歪みではない
善人を善だと扱う
それは歪みではない
悪人を善だと扱う
これは歪みだ
善人を悪だと扱う
これもまた歪み
その『線引き』がまともに出来ない疾患
それが「癌」なのだろうか?
いや――
違う
その『線引き』を、「自分に都合よく歪める」
そして「その責を蔑ろにする」
幾度となく「繰り返す」
だから「癌」なんだろう
それが――「合わさない寄り添わない」、ということなんだろう
『正しい線引き』を、正しいと認められず「歪める」ばかりの「悪行」へ、己が身を走らせてしまうのだから
だから抜ける術がない
ようやっとわかった
気がする
これで半分ね
と言われたらしい
こわっ、癌こわっ!
と周囲では身震いする人達で溢れ返っていた
こういった事態を防ぐ為にも必要だとも、言われていた
広い視野と柔軟な思考、己と違うものを受け入れる姿勢、だが己を出す力
それらが必要になるとのことだ
これでも大分と掻い摘んでのものらしく、全て記すとかなり長くなるらしい
だが、要約すると、概要はそうなるとのこと
次期始祖神の役割はまだまだあるし
他にも大きな役割を担っているという、ただ存在するだけで
それはまた、先のこと
と濁されてしまったが…
始祖神に大分と与えてもらったので、感謝と礼も込めて力を送った
祈りというものだろう…
それに始祖神は甚く感心したようで…見返りを求めない祈り等、ケイト以来だとまで言っていた;
どれだけ汚れているんだ、人類は…;
そう思ったのは、僕だけではないらしい;
リヴェリアも顔を顰めていた;
リヴェリア「全く…;俗らしい人間ばかりなのだな;」嘆息
フィン「はははっ^^;
欲ばかりだからね?人間は;」
そう会話する中…ケイトは展望台へ足を踏み入れようとしていた
ミロは大きい為、休息も兼ねてボールに入ってもらおうかとも思ったが
アルとディがギャン泣きして嫌がった為、そのままカート代わりに乗せてもらったまま移動する
どうやら空間トンネルを使用するようだ
が…
『きゃー!!』『わああああ!!』
タッチの差で間に合わず
歓声が高らかに上がり、国王のサインと握手を求める声が拡がりに拡がり…
大騒動となった…;
うん――やむなし;←嘆息