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Unlimited【ダンまち】

第79章 合一の先





お前が無事なら…皆が無事なら……それでいい

自分はどうなっても構わない


ケイト「お前が無事なら…それでいい」

メリオダスの時も…
ゼノンの時も…君は、自身の身を犠牲にした

してでも守り抜いた


誰も…犠牲にはさせてはくれなかった



決して――



たった一人で横たわり、傷だらけになりながら…ボロボロになりながら、それでも僕等を案じる
君の姿が…瞼に焼き付いて離れない

ずっと……かさぶたのように残り続けている


誰も付いてこないのなら…ひとりででも突貫していく馬鹿だった

このまま放っておいたら、早々に死んでしまう
そう思った

幾度となく…


そして…君は幾度も死に掛けては、無茶ばかりを繰り返した

誰も、同じ想いをしないで済んではいる
だが…

この心配は、どこに向ければいい?



幾度となくぶつけた
爆発させた

共に行かせてくれと、無理やりにでも付いていった

そうでもなければ…君は絶対に頼らないから、言わないから……


私を人間に戻してくれて、ありがとう

誰もいなかった
誰も助けてくれなかった
頼らせてさえももらえなかった
誰もいなかった

求めるものも、恋い焦がれるものも、生きて欲しいと望むものさえも…

実の母や姉以外には、ひとりとして……


だから…無茶ばかりを繰り返す癖ばかりが付いた



俺だけが犠牲になればいい

その姿勢が顕著になったのは…
消すのは自分からにしてくれ、殺すのは自分からにしてくれ、という想いを明かした時だった

癌が消えるのを見ていられなかったんだろう


だが…たとえあの世に行ったとしても、この世に生き続けることになったとしても、時間の問題だ

いずれにせよ消される
ケイトがやろうとしているのは先延ばしに過ぎない

でも…その想いを無下にすることは、僕には出来なかった



その悲痛な想いは、痛い程わかるから……



だから…僕は決めたんだ

二度と、君をひとりにはしないと…
そして…君自身、君を追い込む癖があるから…君が自分を独りにしないように矯正させようと……


君は…自分の後始末で、誰も犠牲にしなかった、全て自分でなおした
恩人に罪を着せなかった、自分が巻き込んだ訳でもないのに弱体化された人を守り続けた、世界も国も国民もその全てを救ってみせた

癌の行いとは、全くの真逆だ…


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