第79章 合一の先
小狼…頑張れ
乗り越えろ…
出来ることは、全て…済ませておくから
俺もお前も…同じ存在だから
負けるな
強く生きろ――何があったとしても
その先に何が待ち受けていたとしても
乗り越えてみせろ
強い想いが…伝わってきた
小狼達に渡した、スカイボード…
それもまた、訪れるはずの写し身の小狼達の未来を揺らげていた……←4134ページ参照
「本体が望めば、(復活)できるようにしておく…」、ケイトの言葉の意味も←2616ページ参照
市民カードまで渡していたしね…;
流石に異空間は無理だろうけれど、通信は;
ケイト「本当は…お別れの時間さえ取れなかったはず、なんだけどな」ぽつり←4135ページ参照
問答無用で、間も置かずに次の世界へ飛ばされてしまう
はずだった…
それが…新たな境地に至ったことで、避けられた
それもまた…喜ばしい誤算だ
フィン「…で?
これはどうするんだい?」
ケイト「あー…;
ヒンバスは、帰してきなさい」
アル「やー!」
ディ「いっしょいるのー!!」
ぎゅうっ!!
フィン「どうやら気に入られたようだね?^^;」
かっ!!
次の瞬間、進化が始まった
ヒンバスがミロカロスになり、細長い龍のようにも見えるそれに…
アルとディは絶叫しながら、赤ら顔で興奮を露わに飛び乗っていた
ミロカロスも嬉しそうに顔を赤らめ、擦り寄る2人に倣って擦り寄っていた
後に…彼は、アルとディ専属の精霊になる
通りがかった時、気持ちよさそうに眠っていた為、自分も隣で寝てみたくなった
ので、そのまま小船に飛び乗ったとのことだ
まあ…鞘に納まってよかったよ、騒ぎが^^;
それからケイトは言った…
俺という存在は、自分の魂が生み出した別の世界の自分達も含めて合一化された自我であると…
始祖神の魂、その分体を通じて、『己という魂(自分)』と同じ存在を、感知出来、原初の神々界もとい世界を統括(管轄)する神々界で完全体になると……
それも踏まえてなんだろう…
別の世界の、自分と同じ存在を感知できるのも……
始祖神の闇を祓う旅の最中、幾度となく…同じ魂の元へ導かれたのも……
だから――知っていたのだと
あれも自分で、コインの裏と表の様な別の存在に過ぎないと
別に見えても、全く同じ存在なのだと――――