第79章 合一の先
何でも思い通りになったら、試練の意味が無いだろ?
この世にいる意味さえも――
責任も持たないまま勝手にし過ぎた、それだけだろ――――懲りもせずにな
責任さえ持てば何でもやっていいって訳でも無いけどね
とも補足を受けて…
その頭を再び撫でた
フィン(あー…うん………
道案内どうしようかなあ)遠い目
アル&ディ&ケイト「すーすー」
突如お昼寝タイムに入った、いや、朝寝タイムに入った2人に、
止められる訳なんてなく、たった一人で波間に揺られ続けていた
僕も寝よう(溜息)
その時点で、ふて寝が確定した
テロップ『大好き家族』
うるさい
まあ…安心するのも……わかる……気が
すーすー
僕も落ちた
その折…
変化が起きた
ざばっ
黙ったまま、何かが小船に乗り込んできた
水路から船に上がってきた存在…
それは――?
フィン「ん?」パチ
アル「キャッキャッ^^♪」
ディ「うぅーうー!^^♪」
びったんびったん!
ばちぃんばちぃん!!
2人で引っ張り合いながら、小船の床に叩き付けられ続ける
ケイト「どうしたのフィ………
え?」
2人が手に持つ、魚の姿を前にして
僕等は固まった
いや――固まらざるを得なかった
だってそれは――
ケイト「えっと…何でここに?」
フィン「さあ?
だがポケモンだろう?」
ケイト「うん…でもさ、ちゃんと……あれ?;
ヒンバス…だっけ?」
船は倒れないようにされていた
振動も無く入ってきたんだろう
だが…起きるまで音も無く、静かに佇むのは無理では?魚だし
と、ケイトが疑問を呈するのも無理はない
しかし…ひとつ忘れている
精霊なのだから、水生だとしても水の外でも生きて行けるのでは?
精霊の力、奇跡で…そもそもが仮想水は生きる水、同じく生を与えるのだし……
と、推論を伝えると
それだ!、と即答された
フィン「ケイト…」
ケイト「ん-?」
フィン「よかったのかい?」
ケイト「何が?」
フィン「小狼のこと……
君の、異世界の同じ魂だろう?」
ケイト「違うよ」
フィン「え?」
ケイト「同じだけど…違うよ
根っこは同じだけど…今ある形は違う
混乱させる必要は無い
ゼノンにだってそうしたろ?冒険王ビィトのさ
な?サクラ、クルス」微笑