第79章 合一の先
フィン「責任を果たせること、責任を持つこと
それこそが、学びに必要な原点という訳だね
ケイト「ああ――そうだよ
そこを履き違えて、肝心のものを蔑ろにした
し続けた
魂の限界を超えるまで、好き放題に――我が儘放題に」ふるふる瞑目
ぽんっ←左肩に手を置く
ぐいっ
小船が波間に揺れる中、僕は肩を抱き寄せた
ぎゅうっ
そのまま抱き締めた
その目は…泣いていた
ケイト「怨霊達は…癌から、皆を守りたかったんだ
これ以上、癌を守るなって!癌の為に自分を殺すなって!
癌は、自分達の為に頑張ってなんかはくれないぞって!
わかってた…わかってたんだ、本当は…!!(涙目涙声震え)
でも…信じたくなくって……
全部…私の独り善がりで!!;;」涙←痛切な叫びが喉を食い破る
なでなで←頭を撫でる
フィン「大丈夫…大丈夫だ(微笑)
まずは…気の済むまで泣いたらいいよ
付き合うから」そっ
ぽんっぽんっ
ケイト「ひっ、ひっく
ぁぁぁぁぁぁぁぁっっ」
声にならない叫びを上げて、双眸から涙を流した
責任を持たない
そのことが如何に空虚なものか、伝わってきた
責任を持つからこそ、自分の言動に責任を持つからこそ、真に人を守ることが出来るようになる
全体の為に動くことが出来る…次に繋げることが出来る、どんな失敗をしたって無駄にしないでいられる
ケイトは…尻拭いを人にしてもらうのではなく、自分でなおして背負ってきた
それは――自分が選んだことだから
それに責任を持つ為だけじゃない、自分のものだと自覚しているからだ
それが癌には無い
空虚なのは…そこから無いんだろう
だから合わさないし寄り添わない、それを続けていられる
自覚しないまま、意図しないままに…
そこが問題だと言うのに…それを否定し、非難し、歪めようと躍起になる
嫌いになれと言うのか、と
違う
そうじゃない
好きな部分と、してはいけない部分を、区分しろと言っているだけだ
それだけに過ぎない
自分に都合よく歪めて、繰り返していい、一方的に痛め付けていい存在だと思うな
そして…僕は悟った
泣き震えるケイトを見て…
あの世での掟、魂の限界…
やってはいけないこと……
知らないまま消えていくことを、させない為に産まれて来たんだ
これ以上、増やさない為に――