第79章 合一の先
ケイト&フィン『癌は…その不動の掟を破った』
フィン「選ぶのは簡単だ
だが…その言動に責任を持つこと、背負うことにこそ、意味が発生する」
アル「ぅっ!ぅ!」
バシャバシャ
アル「キャッキャッ^^♪」
ディ「ぁーぅ!^^♪」←途中から混ざり出す
船から身を乗り出し、水路の水で遊び出した
フィン「ふっ)
ケイト…」
ケイト「?」
フィン「癌に、中身がない、空っぽで空虚な存在だという名が相応しい理由は…そこにあるんだろう?」
ケイト「ああ……
癌の中には、何も無いよ」真剣
フィン「やはりそうか」
ケイト「大事にしたいという想いしか」
フィン「!」
ケイト「そうでなければ――あれだけの行動は示せない
だが…だからと言って、責任を取らなくていい訳ではない
持たずに、許される訳では断じてない
した物事には、必ず責任は付き纏う
それをした対価とは、罪を負うこと、罰を受けること、自らのしたこととして向き合うこと、繰り返さないこと…色々ある
それこそ――無数に」
フィン「要はケリを付けろということだね、自分で
自分一人の力で」
ケイト「頷)
そこに人を巻き込み、抱き込んだのが癌だ
自らもまた裁かれるべき立場にあるとは、決して思わない
だから捌かれた――その空虚な存在と共に、癌という邪悪な存在(闇)の化身として
邪神の手によって――未来永劫、存在を許されないものとして刻まれた
存在することすら――――
自らをそうするのは――やはり」俯く
フィン「ああ…わかるよ」
アルとディによって起こされた無数の水の波紋が、小さくなり、
跳ねた水が一滴だけ落ちて、小さな波紋を再び作る
痛々しいケイトの表情とは対照的に、二人の顔は朗らかで穏やかだった
僕も釣られて一瞬笑みを浮かべ、それから引き締めた…
表情も、心も……
フィン「偏った見方とかは、ほんの一部に過ぎない
合わさない、寄り添わない、その選択を取った
そこに責任を持つ、背負う、繰り返さない
それだけでよかった
それだけなのに――それだけのことなのに
もう遅い
癌は…向き合うことから、見向きをする所から、出来なかった
だから――合わせようもない、寄り添いようも無いんだね」
ケイト「ああ…そうだよ(瞑目)
責任も…全体も…見るべきものも…蔑ろにしたんだよ
癌は」