第79章 合一の先

なるほど…

フレイヤ・ファミリアもイシュタル・ファミリアも
癌によって不利益を、癌の不始末を、大いに着せられた立場にある

それでありながら…何も返しても来ない癌に、尽くし続けた

何も返さず、仇でしか返してこない癌に、ずっとずっと…無償で尽くし続けてきた


主犯の罪を着せられ、癌の壊したものの賠償まで全て支払わされ、癌からは謝礼も無く、謝罪も無く、感謝も無く、何も支払われず何も無い
アマゾネス狩りを受けながらも、妹分を数多く喪い、癌から「守ろうともされない」という行為で返されようとも、それでも押し黙っていた

全て――癌を守る為だけに


ずっとずっと尽くさせて、それごと粗末に扱われ続けてきた

だが…変わらず、アイシャは都合よく利用され続けてきた
フレイヤもまた、同様に――

その好意を、言動を、全てを、足蹴にされたまま、親切心の上に胡坐をかかれ続けたまま


だからこそ――気付けたのだろう



真に私達を大事には想って等いないのだと

どれだけ大事に想っても、どれだけ動いても、どれだけ尽くしても…
癌は頑なに…大事に想ってくれるもの、動いてくれるものとして、受け取ってもくれない、見てもくれない。大事に想うことで、動くことで、返そうとも何もしてはくれない、と


これほど虚しいことは無いだろう

有り体に言えば…
都合よく、一方的に利用され続けていただけなのだから



アイズもまた、同様に――



だからこそ――言うのだろう

「癌」は、全体を脅かす
消えるべき「諸悪の根源」だと…


守りたいからという手前勝手な理由で全体を脅かし
自分に都合よくいいことだと歪め、幾度となく繰り返す

「癌化」を振り撒き、世界を癌化させて消滅させる…



すなわち、存在しているだけで、いずれにせよ「全体を脅かして回る」…「害悪」そのものなのだと……



ケイト「癌に対する愛想は…尽きた

自分にとっての守りたいで、全体を脅かして回る
全体を守れないよう脅かす悪行を、善行だと歪める
自分にとっての価値で、全体にとっての価値を歪める
その固定化こそが「癌」」
始祖神『丸！花丸！』

ケイト「ありがとう…


ま…つまりを言うとだ」すっ
！目が戻った！

ケイト「あんな人の相手をするのは、やめよーぜ？^^

大事に想う気なんてこれっぽっちもねーんだから」微笑