第79章 合一の先
建物は白煉瓦が基調となっており、扉も窓も木製のもので木の色や青色が多く目立つ仕様となっている
そのお陰か…水もよく映える
透明な水底には、青色にも見えるが実は純白で水の中にあるものを目立たせる仕組みで…
色々と工夫を施している
たとえば――そこら中に張り巡らされている『仮想水』だ
建物の周囲、落ちた際にも衝撃を吸収する等で事故防止にも努めて使用されている
荷物の持ち運びにも使用されており、お陰で力も入れずに移動出来る
ベアリングロードとまではいかないが…
行き先を告げるだけで水で包み込み、ジェット・バーストよろしく飛ばしてくれる『推進機』が各所至る所にある
着地と同時に包んでいた水は溶け、保護と推進の双方を兼ね備えている為、怪我人が出ることは無い
自動で飛ばしていく為、評判を呼んでいる
ちなみに、その水も仮想水だ
仮想水とは何ぞや…
仮想水とは、文字通り仮想のお水
水であって水ではない
水の性質を持った『魔力』そのものである
濡れもせず見えもせず落ちにくい、痛みも衝撃も吸収する機能も持った
例の無重力体験は、その仮想水の『浮かせようとする浮力』によって実現されたものだ
例の魔力水との違いは…水の見た目及び外見(形)をしていないこと
性能はどちらにも匹敵、比肩する←3918~3920ページ参照
水の性質はあるが無いように見える『仮想水』
生きた水であり自動で動く『魔力水』
どちらも魔力で構成された水で、決して蒸発しない溺れさせず自動警備出来る
明確な違いはと言えば…目に見えるか、見えないかの違いだ
外敵の動きは阻害し問答無用で溺れさせ、味方の動きは加速させる上に加勢する
水上都市全体が仮想水で覆われて守られており←4305ページ参照
その為、神の力があれば、透明な何かが包んでいるのが見えるそうだ
常に水の中にいるような幻想的な光景が拡がっているという…
ケイト「苦労したんだよ、作るの」
しみじみ溜息をつきながら、一言だけ零された
港にもあり、津波にも対応出来る『防波堤』として使用されている
原理は…
水と同化して威力を減衰させることにより、津波そのものを無効化させるとのことだ
水上都市オルガノの全方位、その下にあるガノスをも囲んでおり、大き過ぎる津波の場合にのみ適用と(機能するように)している