第79章 合一の先
ケイト「フィン…」
フィン「ん?」
ケイト「あのさ
「今回のように記憶が消えたり、何かで穴埋めされたりしたら困る」って言ってたけど…
多分それ…ずっと避けられないと思う」俯←申し訳なさそう
フィン「それは言ったろ?」くす
ケイト「?」顔上げる
フィン「まず君は、気楽に構えることを覚えるべきだ」ぽんぽんっ←頭頂部軽く叩く
ケイト「へ?」きょとんぱちくり
フィン「残念なことだけれどね…
誠に遺憾だが…あればっかりは、消える外ないんだ」
ケイト「うん……知ってる
それで…歴史が覆ったりはしないでも
大筋がどんなに変わらなくっても…細かい部分はどうしても変わってしまうって。
どうしても、避けられないって…」俯
フィン「ああ…だが、必要なこともまた事実だ」真剣
ケイト「………」
フィン「…だから…………
呑み込み切れなくて、感情が追い付かなくて、爆発した。
爆発してしまった…
それが…君が、癌を殺す世界……
その結末も、また…見たはずだ。
神々が、率先して時を巻き戻してでも君を止めたように…
その記憶もまた、君の中にしっかりと残っているはずだ」
ケイト「それとこれと!気楽に構えることにどう繋がってんだよ!!」
フィン「…………
大事な記憶は、決して消えない。
たとえ、どれほど飲み込まれようとも。
どれほど…膨大な記憶が流れ込もうとも…
君にとって大事なものは、決して消えやしないし、消させやしない。
それぐらいに、尊重してくれる…それが『神』なんだ(微笑)
『神』が『神』たる所以なんだ」なでなで
ケイト「!!あ」瞠目
フィン「だから…心配する必要なんてないんだ。
そんなに、重く捉えなくてもいいんだ。
ずっと見てる…←愛しそうに目を細め笑い掛ける
こんなに心強いことは…無いだろう?^^」
ケイト「……
(ぱああっ!!)
うん!!^^
心強いよ!^^」
表情が見るからに輝いて微笑み何度も頷きはしゃぐケイトに…僕は言った
フィン「だから――もう、泣かなくていいんだよ?←微笑み掛ける
合わさない人間の為に、君が苦しむことは無い。
『泣かんでいい!!』
そう、原初の神々まで一緒になって、霊と共に言ってくれた意味、『想い』―――それを、受け止めなければね?
君はもう、その中身を知っているだろう?」微笑