第79章 合一の先
まともな神経でもやっれませ~ん♪
そう鼻歌混じりに答えた
だが…その言葉は、的を射ていた
見事なまでに…
なるほどね…確かに中傷だと言われ兼ねないが、そういうことをする「癌」が悪い
自分のやったことの後始末も不始末も
その全てを、やってもいない人に全て着せた上で、責任も感じないで
何もせずに放置し、責任を転嫁できる。人のせいにして、責めるな、怒るな、と…
ああ、そうか…それは殺しだ
自分に合わせろと歪めることだろう
着せた立場でありながら、
着せられた人に、迷惑を掛けた周りに…
それだけじゃない…
悪いことをした人だけに着せるのならば兎も角(ギリギリ飲み込めるとして)
してもいない人、いい人、居合わせただけの人にまで、無差別に、見境なしに着せたりするのはどうかとも思う
あ…「癌」が「苦しめて回る」とは、この事か…
フィン「でも…だとしても。
…何で歌うんだい?;」
ケイト「歌わなきゃやってらんねえだろ」睨視
フィン「!」瞠目
ケイト「違うか…?」呆れ顔
フィン「………
(瞑目)
いいや…よく……わかるよ」俯
ケイト「だろ?
殺される以外の価値なんかねえのさ」
フィン「!!←顔を上げる
どうしたんだい?君らしくも無…←肩を掴み声を掛ける
!」ごくり
目に見える変化に、思わず息を呑んだ
瞳孔が開き、虹彩も共に魂の色に切り替わっていた…
静かで、それでいながら厳かで…
玄武、黒龍神、始祖神が一同に表に出ているのを感じていた…
いや…感じずにはいられなかった……
まるで…周りが暗い(深海)かのように、その眼には光の反射も一切無く……静かに仁王立ちで佇む姿に――
自我の崩壊
デメリットの一つ
神の人格の表層化から始まり、後に…
支配へと繋がる
侵食が進むと…二度と戻れない
精神が強い方に、次第に侵食され、引っ張られてゆく――
今回の場合は、怒りが余りに強過ぎて、互いに引っ張られていったように見える
ケイト「癌には、死ぬ以外の価値なんて…与えちゃならねえよ。
俺は…ケイト程優しくはねえ。
殺してやりたい以外の想いは、何も抱いちゃいねえよ。
ゴミに人権は要らねえ。増長するだけだ。
いくら言い聞かせたって、教えたって、無駄なだけなのさ。
見せてやるよ…向こうでの記憶をよ」