第79章 合一の先
「癌」がいるから、癌化が始まる
「癌」がいなくても、自らの内に潜む「癌」に負けて「癌」となるものもまたいる
卵が先か、鶏が先か、という話にまで発展しそうだが…
置いておこう
一先ずは
キリが無い、詮無い行為だ
それからケイトは…堪能していた。
水上都市オルガノ、そこである噴水開通イベントが始まりを告げる所だった。
事後処理、後始末は既に終えていた…
だが…その周知に関しては、別の部署の行いだった。
関知する所ではない、与り知らぬということだ。
宣伝や本にする部署や様々な部署が複雑に絡み合っている為、ケイトは関われないことになっている…
以前、絡みかかったことがあったのだが……
目を回して卒倒した為、そっとしているとのことだ…^^;
あまりにもの大金が右往左往に動き、巡り回っている為、
その場で目を回してしまった、そのまま卒倒してしまったとの話だ;
随分とショックを受けたらしい…まさか……2億もの大金が動いているとは思いも寄らないだろう;
うん、僕も聞いた時は驚いたが…;
そうか、日本円にして20億円か…大した大金だね
君が今まで稼いだ金に比べたら随分と少な…いんだけれど;
うん;見ていないみたいだね
素知らぬ顔で、金庫に叩き込んで見て見ぬ振りをかましていた;
ははは;
また今度話し合おう
無理にとは言わないが、一応はどういうつもりでいるか、遺書でも認(したた)めておかなければ
でないと…勝手に外野が騒いで、勝手に荒らされまくる可能性の方が高い;
ろくでもない方が多いのが、人種というものだ;
救いの無い世界なのは、十分わかり切っている
まあ…だからこそ、ほんの些細なことで、変わったり、喜んだり、頬が緩んだりもするんだが……(微笑)
楽しそうに、アルとディと一緒に無重力体験をするケイトに…僕は笑っていた
どうか…健やかに
そんな願いが、胸の内から溢れてはやまなかった←微笑
だから……この世が生まれたんだろう
生んだ理由は…きっと……
この為なんだろう…
「自分の欲求を押し通すばかりで、争い合う」のでは『なく』……
こんな些細な…
こういった、想いと想いを交わし合う、
そんな自然のやり取りが、ありのままが、少しでも、世に溢れ、満ちるように
そう願ってやまないばかりだった