第78章 火の都
今までになく真剣な表情で言われ、それに僕等は頷いた
その言葉は…千年の後にも続くことになる
人として生きてゆく上での『永遠のテーマ(課題)』として――
始祖神「癌を癌だと言うのは歪めてないので、癌の在り方ではない
神の在り方を癌と言うのは、「言ってる人に都合よく歪めている」ので癌
簡単な話です」
ケイト「なるほど!
だから見ていない!
見えていないんじゃなく」
フィン「本当の姿を…歪めてしまっているからか
それも…自分に都合のいい形(方)に、自分に都合よく
本人の在りのままを、自分との違いを受け入れず、「合わさない、寄り添わない」
(そこも関連しているのかもしれない」
始祖神「その通り!!」
ケイト「そっか…
受け入れてないから、自分の見ているものが本人とは違うとも気付かないのか
人も…心も、想いも、願いですらも…」
始祖神「そう!!
その根幹が癌
合わせたり寄り添っているとしても、自分フィルターによる歪んだ姿にのみ
たとえ…本人の言葉を聞いたとしても、自分が悪いと認めたくない
だから自分に都合よく歪める
そういった本質は、誰もが持ち得るものです
合わせたり寄り添っているつもりでも、見ていないから
見ていないまま、歪めているとも気付かぬまま、好きにするから
言わば、その「人を見ない根幹」が、「合わさない、寄り添わない」の礎、温床となっていると言っても過言ではありません」
『なるほど』納得
双方ありての癌なのです
コホンと一つ咳払いをし始祖神は結論を下した
フィン「『居合わせただけの人』に、一方的に巻き込んで傷付ける殺す壊す等の「合わさない、寄り添わない」(滅茶苦茶にする)言動を取る
それを「自分に都合よく歪める」、いいもの、仕方ないものとして…『人』にとってはそうではないのに
それに伴い「人を見ない根幹」へ繋がる
なるほど…それが癌化、周囲へ拡がる礎、温床か」
始祖神「具体的に言うと違います」
フィン「?
どこがだい?」やや上を向いて訝しむ目を向ける
始祖神「…
滅茶苦茶にする、しないに関わらず
です
どちらにせよ、程度に関係なく、限度を弁えずと言っても、本人は気付かないのです
いくら周りがしてはならないと言っても、仕方ないと割り切り押し付ける
その人の傷を、想いを、受け容れはしないから――決して(真剣)
