第78章 火の都
ケイト自身…
人を好きに扱う為に、思い通りを敢行する為に、力を用いている訳ではない
人の正義なんて、皆違うから…過去と同じく、経緯と同じく、環境と同じく……
だから――ケイトは、ああ言っていた…
人は――自分の気を満たす為の、オモチャ等では断じてないと
ケイト「どんなに強力な力を持ったって、操って好きにしたって、何も満たされないままなんだよ!!
何にもならないんだ!!!
……だって……
自分の意思で…大事な人が寄り添ってくれること以上に、『きくもの』なんか無いんだから――!←拳握り震える
だから――
だから――――!!!!!
これ以上――お前なんかに―――
好きに出来るお前なんかに――!!
負ける訳には!!
好きにさせる訳には!!!
いかないんだあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
どの世界でも…君はそう言った
そう叫んで、力を振り絞った…
取り戻せ――お前自身を
お前の心を――意思を――――
お前の魂を持って――――――!!!!
そう、どこからか声が聞こえる…始祖神の想いだろうか…‥
ケイト「うあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
慟哭し、咽び泣きながら力が拡大し、左拳一点に収縮する
ケイト「人を――お前の好きにしてんじゃねええええええ!!!!!」
そのまま一閃が解き放たれ、技名の如く一閃と共に対象を吹き飛ばす…
死んだ後…人は、幽体となる
だが、神から守られる存在となる…
癌、闇として完成してしまった魂ならば、
黒の国行き=消滅コース一直線だが…
それ以外は確実に守られる
死んだ後の方が安全なんだ…
それがわかっているので…
無理を押してでも、自分の願望を叶えてもいいとは思えない
それよりも前を見ろ、進んでいけと、そういう人達だから…尚更大事なのだが……
その『想い』までをも亡き者にしてでも、叶えるべきこととは…どうしても、思えない
そうでない人間、互いの意思が一致していた場合…未来、試練に差し支えがない場合に限り、蘇らせるという行為が実行できる。という訳だ
それ以外では、強行してでも人へ一方的に押し付けたりはしない…殊更、無責任には……振り回される側のことも考えて、鑑みているからこそ