第13章 結婚式と初デート
アスフィ「遠征の前日に何をふざけたことを言っているのですか!!?
迷宮探索を終えた後にもう一つの入り口を探してもらうのでしょう!?」
ヘルメス「知っているとも!知っているからこそ会いたいんだ!!」
アスフィ「ですから一体何を!?;」
ヘルメス「英雄譚アルルェーチェだ!!」キラキラ
アスフィ「?;」
ヘルメス「あれはあくまで伝承、事実ではないと考えていた。
だが違った!あの《クリエイト》は本物だ!!
大神ゼウスの子であるペルセウス、彼の子がヘレイオスだ!ヘレイオスとはゼウスの孫なんだ!!
確かに、彼女は金の十字架のネックレスをしていたんだね?」
アスフィ「え、ええ。確かにしていましたが」
ヘルメス「間違いない。それはクリエイトで作られたお守りだ!
彼女は正統な後継者、不死ではなくとも大神の血を引き継ぐ子だ!!
精霊は思った。血を与えるだけでは足りない。死んでしまう!
そこで死にゆく彼を生かす為に新たな手法を編み出した!!
それが何かわかるかい!!?アスフィ!」ずいっ!!
アスフィ「え…精霊寵愛?」おず
ヘルメス「そうだ!!
《精霊寵愛》とはその名の通り、契約主への寵愛をもってその『身』と『命』を捧げること!
そうすることで、契約主の身を癒やし続ける『力の根源』となることだ!
それが表わすのはただ一つ…契約主が死ぬと共に、精霊もまた死ぬという『信頼の証』!!
そしてそれは…その時から精霊は実体を失い、契約主にしか見えず、触れず、聞こえなくなるということ!
しかも契約者の魔力を通して話すことができる為、《精霊導》という副産物まで生む!!
伝説が目の前に!目の前にいるううう!!////」
アスフィ「落ち着いて下さい!!;」
ヘルメス「歴代の中でも精霊寵愛の発現者はヘレイオスとケイトだけ!!
そしてケイトもまたクリエイトを持つ!素晴らしい!!
会いに行く以外にない!会いに行く以外の選択肢などあっていいはずがない!!
そう思うだろうアスフィいいいい!!!」
アスフィ「落ち着きを取り戻せと何回言えばわかるのですか!!」
げしっ!!
ヘルメス「痛い!脛はやめてくれ!!;」
その後、落ち着かせるのに非常に苦労しました。
明日見送りで必ず会うのだとヘルメス様は意気揚々で…
厄介ごとに発展しなければいいのですが;(溜息)