第77章 新時代の幕開け
真月流とは?
ケイト「真の新月に帰させる
つまり…闇に帰させることだよ
『蛮行せしもの、悉く斬り伏せるべし』
そう家訓が高杉家では定められていた
前世では、父上が元服して初陣する時まで真月流だったんだ
人を苦しむ間も、痛みを感じる間もなく屠る、死へと導く、優しい殺人剣だった
それが…父上の父上が、手柄欲しさに…沢山斬り伏せて
それから復讐しに来る女子供までをも容赦なく悉く斬り伏せて回っていたから…
皆殺しにされたんだ、使用人も含めて……
父上は蓋を落とした水瓶の中に隠れて、難を逃れた
だから…活人剣として、風月流と名を改めて作り上げられたんだ
殺さず、無力化する方に重きを置いて…
だから、風月流を教わる前に必ず、真月流を学ばさせられる
殺す相手は選べ、と」真剣
オリンピアの原初の火は紛い物
『廃棄神の火』こそが、全世界の原初の火であり
人間界にとっての、現世における原初の火ではない
アスフィ曰く…全ての穢れを寄せ付けない、異空間ごと文字通り廃棄する浄火(じょうか)そのものだったという
空中都市――
って、ラピュタ?問題←1725ページ参照
バルスを言うか言わないか、その次にどうなるか云々で揉めたっけね…
随分と昔のように感じるよ――(遠い目)
長い時を共にした
長い苦悩を、辛酸を共にした
癌についての結論が、やっと出た
だが――それは、人として切り離そうにも切り離せない
大事な根幹の問題だった
見捨てれば、見捨てなければ、どちらを取っていたとしても、人は勝手にする
誰もが、己の意思で動き、選び――今、生きているのだから
それが生きるということなのだから――
だから――――
癌を、どうにかしようとするものではないのだ――
だから――――
創世神としての結論が、総意が、『捨て置きなさい』――なのだろう
『見捨てろ』とは言わない
選択の可否も、自由も、権限も、各個人にある
『それも含めて』の、『自分』というものなのだから、
『生きる』ということなのだから、
『生きている証』なのだから――
だから――――もう――悔いることも無いだろう
癌に関することで、懸念も、葛藤も、苦悩も、何も必要なんて無い
する時間が勿体ない
精々――せめて、無駄にしないよう生かすことだけだろう