第77章 新時代の幕開け
ケイト「私も、離さないよ」なで
その腕を、そっと撫でた
同じ想いを、二度とさせない…
そう誓うように……
その光景が、やけに印象的だった
そう、自分の意思で決めたから
何度も何度も断った
それでも…何度でも、諦めず、しがみ付いてまで、守ろうとしてくれた
だから…私が守り抜く、たとえ…どんな目を向けられようとも……
そんな想いが、向き合おう、大事にしたい、愛したいと、そう願う心持ちが…伝わってきた
一番人として大事なのは、そこなんじゃないだろうか…
大事に出来ないから、表の面しか見ない
見える部分(自分の感情や印象)しか見ようとせず、裏の面を、肝心の部分(人の想い、根幹)を見ようともしない
だから…勝手(自分の感情やイメージ)で歪めるから、癌化に至る――
まあこれ以上は言っても仕方ないか
諦めよう
人は、いくら言ってもわからない
わかるものとわからないものがいる
そしてそれは時期的に様変わりしていく
言ってもわからない時もあれど、わかる時は近い時かと思えば遠い先かもしれない
翻弄される必要も、人から求められる謂れも無い
困ったことになるからね
だから…やめよう
悪し様に言われている、と言われてまで…わざわざ教えることに、僕は価値を見い出せない
ああ、ケイトは…価値を見い出せないんじゃなくて、罪を重ねる口実に使われることに怒るのだったね
まあ時間の無駄だった、いや…無駄だとわかっただけ、よかったと思おう
君一人で、世界は救えない…癌化の脅威は無くならない
一人一人が意識して、共に防ごう、防ぎ合おうと思っていたのだが…
それさえも間違いだ悪口だと評されるのならば、もうやって等いられない
やることそのものが、悪事を行う為の、それを正当化する為の、口実に利用されるだけなのだから
そう、締め括ることにした――その想いに
人が癌化し強制的に消滅させられる
それを避けたい、減って欲しいと願うその想いを、捨てる為にも
フィン「啓発なんて何の意味も無いってね?(お手上げ)
神国でだけにしよう」
リヴェリア「いや、それは時期尚早だ
意味はあったぞ?
神国では神域に相応しい人のみとなっている」
リュー「それを悪し様に言う理由がわかりません」憤怒
アーニャ「好きにしたいだけニャ」あくび