第13章 結婚式と初デート
レフィーヤから後に聞いたが、バンシーと呼ばれた彼女にあんな助言ができたのは(349,350ページ参照)…
その朝の時の経験があったお陰だったんだろう。
『そんな偏見捩じ伏せてみせろ!今ここで生き残った奴はいるぞって叫んでみせろ!!
あんな奴等に負けんな!!!
大切に想ってくれてる奴が報われないぞ!!』
その後に晩でも話してみたが(354~359ページ参照)
随分と人の意見に耳を傾けて考えを一層固め、達観していたようにも見えた。
今思えば、あの時からちゃんと話せるようになったようにも思える。
あの時、ちゃんと大男に対して怒れたようにね。
ティオネのあの拳の件、激昂ながらの意見を境に、強気に意見を言えるようになった。
それもまた成長のように感じて、僕は心なしか目の前でケイトが大男に負けじと叫んだ時に嬉しさを感じていた。
そう考えている矢先、スプーンを差し出された。
ケイト「冷めちゃうよ?食べよ?」
おずおずと差し出されたそれは震えていながらも、とても優しいものだった。
フィン「うん。ありがとう^^」にこ
そう思いにふけっていると、ケイトから差し出された。
フィン『もう少し強気に出れれば、何か変わっていたのかもしれない。
でも、その強気に出た彼等彼女等からの暴言で彼女は傷付けられてきた。
だからこそ恐れ、会話もできないままに一方的に罵られ、いいようにいじめられ続けた。
結局は…あの状況が成り立ち続けたのは「彼女の優しさ」が故、というわけだ』
そう愚痴を零すように吐いた所、皆はまた同意するように頷いた。
【白巫女(マイナデス)】(フィルヴィス)にああ言ったのは、叫んだのは…
自分にも言い聞かせての言葉だったのかもしれない。
自分と重ねて、されていた側だから、その気持ちがわかるから、
とても見ていられなくて、勇気を振り絞って、だからこその言葉だったかもしれない。
それでも…一歩踏み出せただけでも、大した進歩のように僕には想える。
自分らしく在ること、それは叫ばなければわからない。
ようやくそれをさらけ出せるようになったあのケイトの姿が、僕の目にはとても喜ばしいものとして映るだけでなく、焼き付いて離れなくなった。