第77章 新時代の幕開け
フィン「ケイト…その歪みもまた、君自身の現われだ
だが…努々気を付けるんだ
「それ(歪み)」を「押し付ける」為に取った悪事を、「正しいと都合よく歪める(捻じ曲げる)為」に使えば、あっという間に「闇」に転化して、染まるのだから――」
ケイト「押し付け…」
フィン「ああ…
幸い君は、人の心を見れる人だ
どちらかが一方的過ぎれば、あっという間に均衡は崩れて、破れてしまう」
ケイト「何が?」
フィン「魂が…」真剣
ケイト「!」瞠目
フィン「一方の想いばかり押し付けて、その為に人を動かさせてしまえば、それはタカリになる
自分の有事に人を動かさせるばかりで、その動いてくれた肝心の人達の為には…恩人に与えてしまった迷惑の為には、ろくに動かないのだからね…
だから…破ることになる…自分の魂を、自分で消滅させてしまう
大事に想ってくれる人達さえも、その消滅に巻き込んで…
君は、人を動かさせたりはしない…
だが一歩間違えば……
わかるだろう?」
ケイト「うん…わかってる」
フィン「…だと思ったよ…
癌は、一方的過ぎるのが特徴だ…
たとえそれで、どれだけの人が死のうが、組織や国が亡ぼうが、自分の理想の為には、何ら感じもしていない
いくらでも繰り返す…だから、消されるんだよ
だから――」
ケイト「わかってる…」
「「誰も気付けぬまま、消されていく
世界ごと、許してはいけないとも思えない罪ごと、その忌むべき闇に染まり、墨汁と化したまま」」
フィン「ああ…
わかっているのならいいんだ
済まない…
耳タコだろうが…つい、ね?」
ケイト「大丈夫、心配して言ってくれたのはわかってる(微笑)
でも…」俯
フィン「…バランスが大事だ、偏り過ぎてはいけないよ?」
ケイト「うん…
でも…
感じない、減らそうともしない道理が、よくわからない」
フィン「繰り返さないで平気でいられる感覚、か…
それこそ水掛け論、平行線だし押し問答にしかならないよ。
時間の無駄さ」お手上げ肩すくめ
ケイト「…わかってるんだけど、ねえ…;」
フィン「ケイト…人には、人の感覚があるんだ。
わかろうとしてわかるものも、中にはあるかもしれない。
だが…履き違えてはいけないよ?
それは…何でもしていい免罪符にはならない(真剣)
癌と同じ過ちを繰り返すな」