第77章 新時代の幕開け
近頃、ずっと忙殺されている…
それもあって、きちんと纏まった休みを取れたら、と考えていたんだが…
そうは問屋が卸さないらしい…
周りが放っておいてはくれないのかな?;
いっそ防衛隊にでも任務として課したいぐらいだが…国際問題でもあるので、恙なく受け入れるとしよう。
それが終わったら、今度こそ休みだ。
何連勤か覚えてもいないが…
まあ、休み中に仕事がふってわいてくるのはよくあることだ
殊更、ケイトに至っては……
ケイト「……悪口を言われるようなことをしたかな?私」
フィン「君は十分にベストを尽くしているよ
たまたま相性が悪いんだろう?
それでも相手は諦め切れないだけさ…
どこまで完璧にやれていたって、言う人は言う
自分個人に合わないというだけでね…何でもいいのさ、言いたい人にとってはね
まともに取り合う方が疲れるだけ
そういう時は「犬が吠えている」とでも意識を切り替えるんだ
こちらの為に動こうとも思っていない人間の為に、君は一体何をする気だい?
「自らの自由の為に、人の自由を侵害し、人や事情のせいにして、自らの責任を蔑ろにするような人間」、
すなわち「癌」を、消えない事態へ何とかしたいと諦め切れなかった君自身と、何ら変わりないんじゃないのか?」
ケイト「あー……;
もしかすると…自己満足?;」
フィン「になりかかってたろうね。
僕等が君を必死に止めたのもそこにある」
ことっ
窓辺で…手に持っていたグラスを近くの机に置き、双眸を見据え言葉を紡いだ
フィン「彼の人生は彼が決めるものだ、君が決めるものでも選ぶものでもない。
彼自身が自分で決めた末路なのだから、彼を「後押し」する連中の末路ぐらい本人達に決めさせたらいい。
君に非は無い―
あるとするならば――「非に気付けない当人達」自身にある
いくら諭しても――無駄というものだよ
人は――思ったようには動かない、決して
別個の生き物なのだから」
ケイト「うん…好きにさせるしか、無いんだよね」
フィン「ああ…
人は、譲れないものを軸に持つ。
「歪み」という形で…
いくら助けたいと願って動かれても、その想いは謀殺される
本人達の「歪み」によって、都合よくね」
ケイト「捻じ曲げる、か…「歪み」を押し付ける為だけに」
フィン「それこそ「癌」だ」