第13章 結婚式と初デート
遠征の3日前の夜、僕は彼女が真っ直ぐな理由を知った。
真剣の眼差しの中に、決して譲らないだろうことを深く感じながら…
ちょうどその後に、いじめっ子達が出てくる悪夢を見て
その夢で意気込みを書くことを強要され、「頑張ります」としか書けず
最も少ない人でも4行も書いているのだからもっと書けと詰め寄られたらしい。
そして4階の窓から飛び降りて自殺したそうだ。
遠征2日前の朝、執務をしながらふとケイトの方を見ると
魘されていて、息を見たことがないほど荒らしていたから抱き締めていたのだが
僕の顔を見て安心したのか笑ってから縋り付き号泣しだした。
傷は何度でも疼く。それを体現しているようにも見えた。
ケイト『話せば苦しい思いしかしないだろ!
ただでさえ家庭環境滅茶苦茶なのに!!
どんな思いしてきたか知らないくせに!
頑張ります以外書けるわけないだろうが!
お前らはいつもそうだ!勝手に人の心に入って干渉してくるくせ、やることはいつも荒らすだけだ!
傷を増やして苦しみ増やして自分だけのうのうと友達とやらと楽しんで笑ってやがる!!
友達作ればいい?理解者作ればいい?
お前らみたいに苦しみ与えてヘラヘラ笑ってろってか!!?
こっちがどんな思いしてきたか何も知らないくせに!
話した所で苦しませるだけだろ!嫌な思いさせるだけだろ!!
だから話したくなかった!お前らみたいに苦しみだけ与える人間になりたくなかった!!
こんなことになるくらいなら…独りのままでよかった!だから何されたって抵抗しなかった!!
いじめられたあの時に自殺した方がよっぽどよかったよ!!!
苦しませたくないって優しさも、全部お前らは滅茶苦茶に踏みにじるだけだ!!
自分の見えるものだけで判断して、喚いて喚いて喚き散らして!余計に人の苦しみを笑いながら増させるだけだ!!!
少なくとも自分にとってはそうだった!!!!
私にとってお前らは、苦しみを与える象徴でしかなかったよ!!!今だって!!』
そう泣きながら、他を率いて詰め寄る彼等にケイトは叫び続けた。
その言葉だけで、傷がどれほど深かったのかが窺える。