第76章 冒険者依頼(クエスト)、来訪
ガノスは幼い頃のように、自由に泳いでみたいと望み、危ないから甲羅の中にと言われた。
そう誘導されるがまま、一度は甲羅の中へ入った。
が、ケイトが…甲羅の背に乗った。
何でも…ガノスの幸せそうな所を、ちゃんと見ておきたいのだという。
力になりたいのだとか…
ずっとずっと閉じ込められていたのも同じだもの、とも…
あの癌父に帰宅後常日頃監禁され続けていた時、して欲しかったように…傍にいて、共に楽しんでくれる――そんな誰かが欲しかった
もし本人が嫌なら戻ってくる、とも言っていた
そう飛び出すケイトの背に、言葉を投げ掛けた
フィン「ケイト…それは(同情か?)
ケイト「くるっ)やりたいから!
私…やらなかった人(同類)に、なりたくないもん^^」
フィン「ズキン)←胸が痛む
何も…してくれなかったから、か
普通…されなかったら、誰にもしないよう育つだろうに…)
敵わないな……(ぽつり)
(損得勘定なんて一切ない
それで困る人が出ないよう、常に心を配っている…」
が――それは尚更、ガノスを喜ばせた
より一層、嬉しさと躍動が甲羅を伝ってきて、活力が湧き出てきた
甲羅の中にいる僕達のことは気にせず、楽しそうに…
満面の笑みで、楽しそうに、無邪気に笑い合う
立ち入り禁止海域に指定されているので、思う存分泳ぎ回れる
それが心底楽しいようで…クゥーまで一緒に飛び出していった
やれやれ…僕も混ぜてくれたらいいのに
なんて、ね^^(くす)
眩しいったらないな…(微笑)
だがむしゃくしゃする…
共存出来ない存在だと割り切ればいいにしても…
始祖神曰く、怒りを感じている内は共存出来る前提だからだという
共存出来ない存在=憎悪の対象で十分なのだとか…
生憎、僕にはまだ出来そうもない;(嘆息)
ケイト「フィン~!おいでよ~!!^^」きゃっきゃっ!←手を振る
フィン「くす)…考えても仕方ない、か)
ああ、今行くよ」微笑
その弾んだ声につられるように、僕は表に出た
そして――ムー連邦の上についた
魔法で固定しているのか、全く潮の流れに微動だにしないまま…
帰巣本能、という奴だろうか――
安心したようで、目を瞑った
突如、ガノスの全長30kmの身体が震える
やはりオルガナよりも小さいね←4064ページ参照