第76章 冒険者依頼(クエスト)、来訪
いなくならないで―――っ」
それが…僕へ向けて君が吐き出した、唯一の我が儘だった
フィン「ああ――っ(そっ)←頭を胸へ抱き寄せ
ああ!!(ぎゅっ!!!)←頭ごと全身を抱き締める
ずっと(心は)一緒だ――!!」真剣
ケイト「ひっく…
だいすき」
フィン「!」瞠目
ケイト「あいしてる、ぐすっ」ひっく
嗚咽が止まらない
その中で、なおも…想いを、口に紡ぎ、伝えようとしてきた。
それが余りにも、愛おしくて…触れたくて、抱き締めて、唇を奪った。
これまで、傍にいてやれなかった。
出会うまで、何度も辛い想いもした。
それでも…だからこそ、今という形がある。
それまでがあったから。あるから、今が今で、掛け替えの無いもので、変わるはずだったもので…。
何が言いたいかと言うと…ああ――
愛しい、だ
ふと思い当たった、その想いを、口に紡いだ。
私もだよ…
そう、しゃっくりを上げながら、ケイトは言った。
心底、愛しく思っている。誰よりも、何よりも、と…そう、言わずとも、何もかもが伝わってきた。
だから…抱き締めて、傍にいて、温もりという形で、返そうと思った。
この…むせ返るような、愛しい想いを、伝える為に。
もう、何も、君の中の全てが、一つとして、消えずにいるように…そう、願って。
その頃、学舎では…簡潔に纏められていた
光のもの(神)
どんな闇を受けても、光に変えるもの
行った闇とも向き合い、戦い、皆の為に直向きに努力し、変えて行く(成長する)もの
闇のもの(地獄落ち、癌(地獄の底を踏み抜いたもの))
どんな光を受けても、闇に変えるもの
行った光をも闇に変え、正しいと思い込み暴走してしまう、変わらぬ(成長しない)もの
これ以上なくわかりやすい解説だった。
夢の中でも、現実でも…
変わらず、僕等は抱き締め合ったまま…微笑み合っていた。
数十分ほど経っただろうか…起こされた。
他国で問題が起こった。らしい。
簡潔に述べると…海が干上がった。
海に隣接する国々が、口を揃えて津波の予兆ではないかと怯えており、調査を依頼してきた。
確実な情報も何も無く、全て手探りという状況下に置かれた僕等は…色よい返事等、期待出来る訳もなく
ケイト「わかった!任せろ!」
はずなんだが…;
うん…仕方ない;