第76章 冒険者依頼(クエスト)、来訪
そんなこんなで…瞬間移動で、サクッと終わらせに行くことになった。
今はもう、午後3時。
おやつ時ということもあって、菓子を摘みながら事情を聴いていた。
うん、会話中は控えようね?(じろ)←アイコンタクト
はい;ごめんなさい;(しゅんっ、肩落とし)←アイコンタクト
素直でよろしい、とばかりに頷いて返した。苦笑しながら溜息混じりに…
「???」
使者は目を丸くしていたが、この際気にしないでおこう
使者が言うには…
何の変哲もないいつもの海であり、こんな変化が現われたのは本当に急で…
午後1時半頃に突如起こったらしい。
海が突如沖側に引いていき、その波に攫われた人は船の上に即座に避難させたことで事なきを得た。
津波に備え、市民の避難や船の移動等々を済ませたはいいものの、
いつ来るかわからない津波に怯えていた。
モンスターの可能性もあるいは、といった考えに至り、結果として僕等へ直接指名依頼が舞い込んできた、というのが事の発端らしい。
なるほどね…確かに、そうするしかないだろう。
早期解決が望ましい。
津波か地震か、いずれにせよ、直接現場を見に行くしかない。
やれやれ…長丁場になりそうだ。
苦言を齎そうとケイトを一瞥すると…
ケイト(困ってるのなら力になるべきでしょ?
なれるのなら
流石にこっちが火急で天手古舞なら断るけど、そうでないなら話は別でしょ。受ける一択)淡々
ご尤もな意見が即座に返ってきた。
それにはまあ、僕も同意見なので留意しておくとしよう。
火急の要件ということでケイトに直接お目通りを、と強行した使者にも問題はある訳だし、ね…
何より…ケイトの断れない性格を知ってのものだというのは、明白だ。
然るべき処罰を、と言いたい所だが…
そこはまた日を改めてしよう。問題の解決が先だし、何より…
ケイト「早く!早く!!」たっ!たっ!足踏み
本人が思った以上に乗り気だ;
フィン「走ろうとしないでくれ;
君は妊婦だろう?;」
ケイト「はっ!)あ、そうだった;」たらーり
フィン「忘れないでくれ、頼むから;」瞑目嘆息
ケイト「ごめんなさい;」ぺこり←深々お辞儀
すぐに見に行った
が、うん、結論から言おう
何も無い
ものの見事に、何も無い
津波の予兆らしき引き波に、海の底全てが攫われたようだった
