第76章 冒険者依頼(クエスト)、来訪
話が横道に逸れたが…
まあともかく…
それを身に付ける為、学び場の役割を果たす為、本格的に動き出した感じがした。
そうこう言っている内に…学舎が、その筆頭となって動き出した。
『道徳』という授業で…『癌化を防ぐ抵抗力、染まらない力』を身に付けさせる為に――
アマゾネス狩りでは、32人の死者が出、その遺族18名が死んだ
総合50人死んだ訳だが…
コクーンのお陰で、2人だけは助けられた
結界のお陰で
それ以外は、あの時点で死んでいた
ケイトが起きるよりも前、それまでの間に…
ひとりの我が儘に付き合わされて、
それだけの死者が出る津波(余波)を起こした発生源たる元凶(癌)が、何もこたえない
何の責任も感じず、後始末も何もせず、人にばかり罪も後始末も全て着せる
自分だけ、自分達だけ何もしない、命の危機的状況だとわかった上で
そんなことをされたら――どう思う?
アイシャへの行動で、どう認識しているのかは露わなのに
命の危機に瀕しているアイシャの為には動かなかったのに、
図々しくも自分の時は助けてもらうこと、利用することに余念がない
何の抵抗も、申し訳なささえも抱いていないのに…
それが…それこそが……癌が、癌たる所以なのだろう
人間は…自分を優先して欲しい生き物だから。
何事も捉え方次第
立ち位置によって正義か悪かは容易く変わる
自分を形作るのは、自分自身だ
自分で取った行動の全てが、自分なんだ
都合のいい部分も悪い部分も全部ひっくるめて『で』自分なんだ
悪い部分だけ否定して、正しいと捻じ曲げて、背負わずに生きて行くから、癌になるんだ
自分で、自分をそうした
そういう人間にした
だと言うのに……
いつまで、被害者気分でいる?
そこが…そここそが、癌の心髄なのかもしれない
そう、気付けば…夢の中で話し合っていた
その折、外ではこのような教えが広まっていた…
自分で起こした不始末に対し
減らす努力
繰り返さない努力
その後始末を、自分だけの力で責任を持って行う努力
一つでも欠かせば、行いもせず、そのまま善とすれば
それだけで、「歪み(癌)」と化す
その3つの努力が『ブレーキ』となる
全ての土台は、俯瞰して全体への影響を考えること←3965ページ参照