第76章 冒険者依頼(クエスト)、来訪
人は――太陽が無いと、生きて行けない
何でだろうか…
君がいるだけで、光に溢れているように感じる
太陽のような温かみまでをも感じる
その刹那、僕は悟った
僕にとっての太陽は、君なのだ、と――
ケイト「ありがとう…フィン」微笑←愛おしそうに、唇を頬に寄せる
フィン「ん?」訝しむ眼でケイトを見やる
ケイト「……お前のお陰で…
私はまた…生きて行けそうだ」穏やかに微笑む
フィン「ンー…;
死ぬ気しかなかったのかい?;」じと目腕組
ケイト「あ…あははは;」目逸らし苦笑
フィン「笑ってないで答えてくれ;」嘆息瞑目
ケイト「……
…(俯)
そうだね……
お前らに何かあるくらいなら、私が全部受け切る!
どんな余波だって、食い止めてやる!
同じ想いをする人間が、私一人の分だけでも0にしてみせる!!!(ぐっ)←拳を握り締める
そう――誓ったんだ!!!(きっ)←前を真っ直ぐに見据える
私の魂に誓って!!!!」真剣
たとえ――何があろうとも
そう…声が聞こえてきた
何故…ケイトが、自身に対して評価が頑なに低いのか…
それは…
ケイトにとっては…自分が、一番醜い、憎い存在だった
ケイト「決めたんだ…
何があっても…
もう、誰も、ひとりには、させないって…
させる側になんかは、決して回らないって……
(最初の家族…
育ての家族…
私一人だけ…生き残った
自分さえいなければ――
守れなかった自分が一番許せない
世界が憎い、全てを滅ぼしたい、そんな自分を許せない、殺したい
自分が一番消えるべき存在だ――!)
私一人が死んだ方が!よっぽどマシだっっ!!」涙
どれだけ自分を愛そうとしても、
憎しみごと向き合い、それごと愛そうとしても…
どうしても…その想いだけが消せない――
だから――これほどに、苦しんでいる…
フィン「ケイト…」なで←頭を撫でる
癌に対してだって、そうだった…
どれほど憎くても、消すべき存在だと理解しても…
それでもなお、それを抱きながらも必死に抑えようとした
だが、それ以上に…怨霊達の想いを、今もなお無下にし続ける癌に、憎しみの念を禁じ得なかった…
ケイトが怒るのは…『被害者達の厚意、死んだ被害者達の想い』を、知ろうともせず、考えもせず、勝手で、勝手に扱うことだ