第76章 冒険者依頼(クエスト)、来訪
自分だけの翼を――君も、僕も、得られているだろうか?
そう、思わずにはいられない…
もう――必要の無いものかもしれない
必要の無いことなのかもしれない――
それでも…
それでも……
伝えたいんだ
伝えずには、居られないんだ
僕にとって君は――唯一だから
僕もまた――同じく――――
奪われて――喪ったから
境遇が同じ訳ではない
同情でもない
ただ――
ただ――――――
フィン「僕が、君に、居て欲しいんだ
たとえ、血の繋がりはなくとも…
支え合ってきたから――
数え切れないぐらいの、想いを―――
気持ち同士の繋がりは、脆いかい?」
ケイト「ううん…
ううん!
そんなこと、ない
ないよ;;
ひっ
ぐすっ」
抱き締めた腕の中で、しがみ付くように、泣きじゃくってきた。
気持ちを伝え合い、育み合い、支え合い、時には喧嘩してぶつかり合ったりもした…
そんな時間も―大事なんだ。
無かったことになんて――出来ない
――――出来るはずがない
たとえ――何をしたとしても。されたとしても―――
だから――
フィン「隣に居させてくれ
君が許しても、許さなくても、突き放されたって…死んでも離さない
ひとりになんか、させてはやらないよ?
君が散々、してくれただろう?^^」
ケイト「う…ん」ぐすっ、えっぐ
フィン「大丈夫だ…(微笑)
君はもう――ひとりじゃないだろう?」
だから――何度でも言い聞かせよう
足りないのなら、何度でも与えよう
愛していると、何度も伝えてくれたように
何度も何度も、僕等へ細心してくれたように――
気に掛けては後悔して、悩んで、苦しんで、そんな想いは…過程は…
何よりも得難い、何とも比べ難い、大事で、尊いものと、僕は思うから
大事だからこそ、悩む
関心を向けて、寄せて、考えるから、苦しむし、後悔だってする
知ろうとするから、聞いて想いを汲もうとするから、それを尊重したいぐらい大事だから…
それが堪らなく愛おしい…(微笑)←頭を撫でる
それが無ければ――
出来ない人であれば――
きっと……
こんなにも、君に惹かれることは無かっただろうな…
…こんなにも――――
人を――愛おしいと
狂おしい程に、想うことさえも―未だに、出来ないままでいた