第13章 結婚式と初デート
私の魂が望んでいる。
あんな痛みを、誰にも味あわせるなと叫んでいる。
あの痛みが叫んでいる。二度と味わって堪るものかと。
入館手続きを終えた後、館内着の浴衣を受け取り
スケート靴をもらって2時間無料で滑らせてもらうことになった。
だが、通り道ではしゃいで両親を呼ぶ子供に大柄な男が叫んで凄んでいた。
「邪魔だどけ!!殺すぞ!」
子「ひっ;」
フィン(ああいう手合いはどこにでもいるものだね)溜息
ケイト「殺す?軽々しく言うなよ!」
「あ!?何だてめえ!」
ケイト「当たらないように通れば済む話だろ!?
それだけで殺す!?ふざけんな!
殺されて、失った側の気持ち!てめえは知ってんのかよ!!
どこ探してもいないんだ。どれだけ求めてももう話せないんだ!
二度と会えないんだ!!」
お姉ちゃん…お姉ちゃん、どこ?
死を理解したのは、6歳の時だった。
左手を伸ばしながら助けようとした。
でも無理だった。
その当時の私には、その力が無かった。
それから二度と、姉と再会することはなかった。霊とさえも…
なのに……
ケイト「ぷるぷる)…ふざけんな。
(ぎり)殺すなんて、軽く吐いてんじゃねえ!!!」涙
その子供に吐き掛けられた理不尽な言葉に、居ても立っても居られず
シルキーと同じ年頃の子を背にして、私は叫んだ。
あの2日間の死闘を繰り広げた最強階層主の時と同じだ。
全長20mのそれを前に、後ろから息を呑む声が聞こえた。
振り返るとそこには育ての家族の妹・シルキーと同じ年頃の、黒髪の子供がいた。
避ける為に動けず、全力で受け止めた。
両足が地面に減り込む。地面のひび割れが深まっていく。
子供の悲鳴を背に、潰されて堪るかと…全てを振り絞った。
ケイト『ふざけるな…
ふざけるな!!
これ以上、奪おうとしてんじゃねえええええ!!!!!』
気付けば魔力が自分を覆っていた。
それも気付かないほど、階層主だけを見て押し返して後ろへ転倒させた。
それからはただただ死闘、空中に作った白く発光する魔力の塊を足場に
避けながら、人がいる場所や建物に当たらないよう受け流しつつ『攻撃』だけを続け、時間にしてその状態のまま1日戦い抜いた後に倒した。
その後は知っての通りで、最後の階層主を倒して復元を用いて助けた。