第75章 神器、覚醒
最初は――小さな音だった
ピシッ――
フィン「!」顔を上げ、振り返る
リヴェリア「?
どうした?フィン」訝し気な目でフィンを見やる
フィン「いや――(親指が疼く!」
最初に抱いたのは――違和感
気絶し、神器は消えていた…
だと言うのに、なんだ――?
この――とてつもない、嫌な予感は――――!
ケイト「うっ
うおおおおおおおおおおおお!!!」
突如浮き上がる体…喉笛から天へ咆哮が上がる
地面がひび割れ、破片が次々に、天へ、天へと浮かび上がっていった
そして時は戻る――←3994ページ参照
体制を立て直し、心身に余裕が僅かに生まれ…体内に極僅かに残留する雷で見ると――
魂、それを覆うように神器の水が展開され、神器が主導的になって行っている――神の力の解放を
これはもう、『共鳴』なんて次元(域)を大いに飛び超えている
これはそう――まるで――
『覚醒』――!!
リヴェリア「なんだ…何が起きている?!」
フィン「神器だ!!」
リヴェリア「何だと!!?」
がきぃんっ!!!!
ガレス「しっかりせい!!」
ケイト「あっはっはっはっ!!」
どごぉっ!!!!
斧で受け止めるガレスを吹き飛ばし
ガレス「破砕!」
左回転し避けながら拳槌を叩き込んだ
ケイトが有無も言わさず地面に仰向けに倒れるガレスへ拳を繰り出そうとする中、
ガレスから血を吐き掛けられるも微動だにせず、オッタルに飛び掛かられて事無きを得る
フィン「無事か?」
最早血塗れのガレスに、疑いの目を掛けずにはいられなかった
ガレス「安心せい、手加減されとるわ
あ奴め…我を失ってもなお手加減しおる」ギリッ←歯噛み
フィン「とてもそうは見えないんだが…;」
ケイト「あっはっはっはっはっはっはっ!」微笑
眼球と口内が光った状態で奔流の如く力を自在に行使し続ける様は…誰の目から見ても異様だった
リヴェリア「芽吹け!!」
大木を芽吹かせるもオッタルごと吹き飛ばされる
視覚を奪われたら命に関わるので、『眼球全体』が神の力で保護されており『発光』している
呼吸関連で『口内』も同様
力まずとも全てが同じく均等に『無限大の力』を発揮する
『陽炎』の如き空間歪曲は、あくまで『無限大の力』があることによる余波か?
それが鎧となり、『全身』が武器と化す、文字通り『身一つ』