第75章 神器、覚醒
ベリアル「貴様等は癌ではない。
それは、とっくの昔から知っている。
その事を気にする気は一切ない」
『ほっ』
その言葉を聞いた直後、皆が胸を撫で下ろした
僕とリヴェリアを除いて…
そう…安心するのはまだ早い
ベリアル「私が気にしているのは…
癌への処断だ。
未然に防げたとして、どう出るか」
フィン「そのまま捨て置くさ
その方が都合がいい――
だろう?
今後の学びの為にもね
前段階のものを見つけたとして
人へとやかく言ったにしろ、期待通りに行くとは限らない。
だから、気にしない、自然に任せるのが一番ってね?
もっと自由なものだろう?
軽く捉えるぐらいがちょうどいい
下手に期待すれば、
失望する分、返ってくるツケがキツくなる一方だ」
ケイト「なるほど」納得
フィン「ダメにするもしないも己次第ってね?←肩すくめお手上げ
なるようになるさ
尤も…もしも、僕達へ降りかかれば――ただで済ます気は毛頭ないけれど」
ケイト「あの…大丈夫だよ?
だって、もう、そんな感じしないし
フィン「ああ、消す為にも、妨害してくるだろうそれを止める為に、だ
だとしても、だ
打ち合わせは必要だろう?
何もなしに、殺してから事後承諾はない」
ベリアル「む…それに関しては済まない
陳謝する」深々お辞儀
フィン「謝罪は受け止めさせてもらうよ?
だが…それとこれとは別だ」
ベリアル「何をして欲しい?」
フィン「そうだね…」
ベリアル「何を求める?
フィン「ンー…」
ちらっ
ケイト「?」
フィン「ケイト…
被害を受けたのは主に君だ
君にこそ、決定権があるべきだと思うよ?
何がしたい?」
ケイト「戦ってみたい!!」キラキラ
『………
え?』瞠目
フィン「あー…その、何て言ったのか、聞き間違いでは
ケイト「戦ってみたい!!^^」キラキラにっぱー!
額に手を当て、瞑目しながら聞き直した
冷や汗が頬を伝う中、返ってきたのは…
天真爛漫な、弾んだ声と満面の笑みだった…;
フィン「………←天仰ぐ頭抱え
聞き間違いだと…思いたかったよ」
リヴェリア「知的好奇心は、探求心は、それを凌いだと言うことか
面白い!うん!」
フィン「面白がるな!;」
ケイト「さ!戦お?」
ワン!ワン!
尻尾を振りながらお尻を突き上げて楽しそうに誘う犬が背後に浮かんだ