第74章 融和
キルア「さーてと…ベリアル(神々の使徒)を問い詰めるとすっか
事と場合によっちゃただじゃおかねえ!」ギリッ!
ベリアルを問い詰めに寄った頃…
こちら(ケイトが作った異空間)では
より多くの時間が流れていた…
必死に剝がそうとした、治そうともした
だが、その力の悉く全てを弾かれ、無効化された
間に入り込んで無効化しようにも、入り込む隙間が一切ないのだ
フィン「くそっ!!!!!」
青でも一切入り込めない
有無を言わさない強制力…
知っている……
終末神と相対した時と同じだ――!!
闇の神よりも、遥かに圧倒的な……
その折、変化に気付いてか、続々と集結し出していた…
アイズ「ケイト!!」
ティオナ「一体何があったの!!?」
そう駆け付けた折、見えたケイトの姿に我を忘れて飛び掛かり
抱き締めようとした瞬間、横から間に割って入ってくる存在がいた
ティオネ「!モンスター!!?」
ジャキッ!!
フィン「やめてくれティオネ」
アイズ「………ゼノス?」
「ひっく;ひっく;;」
羽の両腕でケイトに覆い被さり号泣する歌人鳥(セイレーン)の姿がそこにはあった…
例のクエスト、歌声が気になって眠れないという依頼の人物、レイ――
神国で、歌手として名を振るわせている、今や欠かせない存在だ…
ついでに言うと…ケイトにゾッコンだ。
他にも、もう一人ゼノスがいた訳だが…;
「……ケイト…
しっかりしろ…
約束を破る気か!!?」
必死な形相で揺するアラクネ、ラーニェの姿に、思わず涙を呑んだ
今泣く訳には行かないと、そう思った
まだ死んだ訳ではない…
一応、体は生きてはいる
魂も霊体も幽体も全て無事だ
ただ…動かないだけだ、全く、血も、何もかも……
お腹の子も無論元気でいる…
現状は時間停止に近い――そう、理解したからこそ
それもこれも…
ケイトの状態へ働き掛けるもの全てが無効化されることに気付いたからだ
だから…状態を変化させるのではなく、『寄り添い分析すること』一点のみにシフトチェンジさせた
すると簡単に通らせてくれ、ケイトの状態がすぐわかった
ケイトの無力化――、それこそが目的なのだろうと察した
とりあえず…命に別条がないことだけはわかった
それを伝えると、やっと安堵の声が聞こえ出した…