第74章 融和
ケイト(……あったかい…)
光と共に温もりを最期に感じた
全く痛みも無く、まるで誰かが泣いているかのように
額の奥にある魂に、僅かに重なるように…何かが出てきて、頭のすぐ横で、近くで跪く何かを感じた
それは…
ごめんね、ごめんね、と何度も謝り、咽び泣いていた
頭を包み入れ、抱き締め、涙をぼとぼとと被せ、心底申し訳なさそうに…
それが何なのかはわからない…
でも…何故か、とても大事な、存在のように感じた
ケイト(おかあ…さん)
そう、感じて…不意に笑みが零れた…
ずっと…見守ってくれていた、温かな存在…
それが、やっと目の前に現れてくれた
あ――わかった―――
おかあさん(始祖神様)、だ
ね…おかあさん
少しは…居心地よくいられたかな?
始祖神「うん――いられたよ!」
恥じない存在で…いられたかな?
始祖神「十分だよ!!!」
嗚呼――(微笑)
よかった―――^^
最期の最期で訪れたのは…底抜けの笑顔と、安堵だった
どぉんっ!!!!!!!!!!!
遠くで…何かの激しい音が、振動となってこちらにまで伝わって聞こえた
ビリビリビリ
空間が揺れるそれが
微かに、ゆりかごの振動のように感じる…
眠りにつくように、意識が凪いだ
どんっ!!
フィン(開かない?)
入る為に空間を開けようとした瞬間弾かれた
つい先程のやり取りが脳裏に浮かび、尚更に焦燥ばかりが募る
ケイトが死ぬ件を聞いた後…←3703,3704ページ参照
キルア「ちょっと俺、あいつ(使徒)と話してくる」←ヘスティア・ファミリア本部上空を右手親指で指す
フィン「誰とだ?
今ケイト以外に優先することが←今にも走り出しそう
キルア「ここ、俺の持ち場なんだよね
わざわざ来た理由、聞かなきゃ割に合わない
あまつさえ…ケイトを『殺した』理由には……」
フィン「……な
………は?」
『殺す』ではなく、『殺した』…?
だっ!!
次の瞬間、僕は走り出していた…
キルアの声も聞かず…
フィン「うおおおおおおおおっ!!!!」
バリィンッ!
だっ!
フィン「!!!!」瞠目
結界を無理やり破ってすぐ視界に入ったのは…
心臓を黒い剣に突き刺され、微動だにせず地面に空間ごと縫い留められた…
血の気が一切ない、ケイトの姿だった――