第74章 融和
『あんな貴重なもの』
豊饒の女主人で手伝いをしてた頃、アイシャにではなくカミラに渡した
アイシャに手渡せば目立つと踏んだからだ
だって、実質的な副団長らしいし…
それは…『異空間部屋(500人収容、寝泊まり可能、シャワー付き)』だった
空調設備完備、一人一部屋与えられる
更には食事も作れるようキッチン(台所)もあり、暮らしていけるよう徹底している
カミラ「あっはっはっはっ!^^
仲良くしてくれよ?」ビシッ!バシッ!←背を何度も叩く
渡した当初、アイシャに話した通りの理由を述べ、無償で受け取って欲しいと頭を深々と下げると…
そう返して、満面の笑みを返してまでくれた。
怨む要素などない!とばかりに言ってくれるその態度が、とても眩しく、温かく、嬉しかったのを今でも覚えている…
勿論…フィンには言っていない、バレてるかもしれないが…;
カミラ「行き場のない人を受け入れる
ぶつかり合って、食って、寝て、気の済むまで付き合う
そんな商売を、やりたいんだ…」微笑
そう、吐露していたとアイシャから聞いた
その夢を与え、実現の手助けをしてくれたのはお前だと
何度も何度も感謝の念を伝えられたが、既に本人からも聞いていたので気にするなと流した
私がしたかったことに付き合ってくれて、こちらこそ感謝しかない
とも伝えると、逆に目を丸くされて、益々さも面白そうに、楽しそうに快活に笑われた
カミラ「惚れるなという方が無理だ」顔真っ赤
ケイト「???」
カミラ「本人これだし」嘆息
フィン以外にはてんで恋愛対象として見れないし興味もないとも伝えていたし公言もしていた
だが…重婚志願者達は、それを許してはくれなかった
リヴェリアのあの言葉で…←3060ページ参照
ただ…死んで欲しくないのだと知った
それだけで、その想いだけで、もう十分だと言うのに…
私達にとっては何も返してはいないのだと
頑なな態度に…実は、内心、凄く嬉しかった…
そう褒めてもらえるのも、認めてもらえるのも、
本当は凄く…とても、嬉しくてたまらないもので…
何よりも、温かくて、心地よくて…
ケイト「評価されるのって…意外と、嬉しいものなんだな」赤面
そんな想いが不意に沸いた…
アイシャ「はっはっはっ!^^
何だ――案外可愛いとこあるじゃないか」微笑