第74章 融和
だが…謝った所で、死んだものが蘇る訳でもない
賠償した所で、命は帰っては来ない…
愛しい人は、いないままだ…
元々あったはずの、続くはずであった日常が――帰ってくる訳でもない
アイシャ「何を企んでるかわからない、気を付けな」
ケイト「…それ…誰について?」
アイシャ「ベル・クラネルさ…
自分の非常時ばかりで、あんたの非常時は…いつ気を回したんだい?
自分の手助けを求めるばかりで、一体いつ…あんたの手助けを率先してやったんだい?
私は…春姫ほど馬鹿じゃないよ」
ケイト「…」
アイシャ「あいつ一人の勝手で迷惑している奴が、こんなに出ていて…
フォローなんてし切れる訳がない
たとえその勝手が、どんなに素晴らしい起因であったとして…
肝心の方法が間違ってちゃ、なおざりにしてちゃ、話にもならないよ…
あんたも重々気を付けな」
ケイト「…ああ」
アイシャ「いつ利用されるかわかったもんじゃないよ」
ケイト「…知ってるよ…
ありがとう、心配してくれて」微笑
アイシャ「本当にわかってんのかい!!?
あんたみたいな奴が真っ先に利用されるんだよ!!
実の父親でさえ見捨てられないあんただ!
一方的に利用されるだけ利用されるだけで!!
一体いつ報われたってんだい!!?
見返りも何も持たない、求めない!!
そんなの奴等からむしり取られて死んでいくんだ!!
私にはわかる!!(ぐいっ!!)←胸倉を掴んで引き寄せて叫ぶ
真っ先にあんたが死んじまうってことぐらいは!!」
ケイト「……うん…」
アイシャ「十分…よく考えな
切り捨てなけりゃ、殺されるだけだよ!
あの爺さんみたいに…私の、戦友達のように…無抵抗で、一方的に!!」ギリッ!!
ケイト「……」
アイシャ「沢田綱吉と一緒さ…
あんたが話してくれた傍迷惑なガキとおんなじだ
頼むから気を付けてくれ――!」
3日か、いや…もう4日前になるか…そんな話に発展した……
椿もいたけれど、事情は聴いたとばかりにすぐ横でうんうんと二度頷いていた
確か、殺す前まではベル達も入国できてたし、暮らせてもいた…←1950ページ参照
例の問題が起こったのは、帰ってからだった…
薄々…勘付いていた
キルアはああ(トラウマだって)言ってたけど…←3627ページ参照
実際は…皆も、気付いてた……