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Unlimited【ダンまち】

第74章 融和





…何も、こちらの都合や心情も、予定も気に掛けてなんかいないって…

急になんのアポイントも無く押し掛けて、用件だけ言われて、
搔き乱して、土足であがって踏み荒らしてきて、こちらが親切心から何とかしようとして、それを利用されておしまい…


……それ以外が一度だってあっただろうか…?



一度も無かった……

たったの、一度、さえも――



だから…女ギルド職員はああ言ったのかもしれない…


「許した所で…何をされた所で…した所で…
何も返ってくることはない…喪ったものは戻らない……

取り戻したかった日々も戻らず、愛した人のいない日々を越えるしかない…!


たとえそれが守る為だったとして…
それが望まない結果になったとしても、その事実から逃れることは出来ない!

それを否定し償い許しを乞う等、「殺した側」の『傲慢』です!!

その罪を背負えるのは!やった本人だけです!!

やった本人がやらなければ…誰が背負うと言うのですか!!?
誰がそれを――その命を背負い、やったことと向き合うのですか!!!?


彼一人で済むはずの問題が…どれほどの人に飛び火しているか、わかっているんですか!!!!?

喪われずに済んだはずの命が!!自ら手に掛けた命が!!!
何故――助けたい命よりも下だとされなければならないのですか!!!?

死に値するとでも言うのですか!!!?ただそこにいて巻き込まれただけ、というだけで!!!!!」

その言葉に、ギルド全体が沸きに沸き立つのもよくわかる…


命は全て等価値…
誰もが、大事な人と繋がっている……

誰かを手に掛けておいて、
ただそこに暮らしているだけの人達を巻き込んで、自ら傷付けて、壊して回っておいて…
あまつさえ、殺してしまっておいて…

無罪となるはずがない……


ましてや――ヘスティアはあんな発言をしてしまった…

零細だから払う金はないと開き直って
それをベルが自分のナイフを買う為だと庇って
今は金はないがいずれ返すから貸してくれと言い

でも貸す組織はない



アイシャ曰く、一方的な見方を笠に着てんじゃないよ!!

この場合笠に着るとは
『諸事情』に守られながら自分勝手なことをするな、という意味で言っている


した自分勝手な言動を、諸事情を盾にし何もせず然るべきと流そうとしているそれに、怒りの火蓋が切られた


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