第74章 融和
ウラノスの決断に追従するだけだった原作に対し
こちらでは、私が初めて龍人化した際にイケロスもタナトスも捕らえ、ダイダロスの末裔も全て捕まっている等、状況も大きく異なっている。
だから、「イケロス・ファミリアにベルが自ら仕出かしたことも含めた全ての罪を擦り付けオラリオから永久追放処分」が出来なかった。
が、ヘスティア・ファミリアが異端児との架け橋になると考えて公私混同するウラノスに対し…
先述したように暴動が起こった。
騒動を止めに来た私にまで詰め寄られながら叫ばれた…;
「知ってさえいれば責めるべきではない等と…
人や物事のせいにして、したことを何でも正当化出来る訳がないでしょう!?
人の命がかかっているんですよ!!?
死人を出した彼が言う立場ですか!!!?
気にも病んでいない彼が言うんですか!!?
知ってさえいれば責めるべきではない、は、命への侵害がない場合にのみ通用する方便です!
あなた(ケイト)の命がかかった状況で、何を言ってるんですか!?
間接的の次は直接的、
それでも一向に背負わないのなら、死んでくれていた方が余程マシよ!
これ以上…(ギリ!)
人を一方的に!命運まで彼の都合一つで弄ばないで!!
何でそれを指摘したあなた(ケイト)が…悪人のように言われなければならないんですかっっ!!?」涙
泣き止んで落ち着くまで必死に宥め、頭や背を撫でた。
ベルを助ける気なのバレてたみたい…;
一応、善意からのものだと知っているから…
だからと言って、赦せることにも限度があるが…;
あれは…失礼とかそういう度を超えている…;
毎度ベルを中心に事件が爆発し世界が揺らぐ事から『起爆点(ボマー)』と称されている。
だが裏を返せばそんな人物こそが英雄たる資格を有していると言えると、原作の神は捉えてるようだが…
それは違う…
理想の為に犠牲を強いているのはどちらも同じだ。
強く想うあまり肝心の現実が見えず、現実化する為に犠牲にし、皺寄せをさせ、重んじなかった。
周りの迷惑や実害も考えずかえりみない姿勢まで美化し、
助けたという都合のいい部分だけ捉えて『英雄』と評しているだけの「紛い物」、
『自分の理想』を強要する「我が儘で無責任な分別の無い傲慢な子供」に過ぎない。
そんな救いなんて…どちらも、不幸になるだけだ……