第73章 キルアの冒険
キルア「俺だってしたかねーけど!!!!
でも…仕方ねーだろ…
仕方ねーんだよ……
やらなきゃ…死ぬ…
俺だけじゃねー、世界中皆死んじまうんだ…
魂だけじゃねえ、霊体も、肉体も、何もかも…全てが消し去られんだよ!!
ほら、いい部分あっただろ、とか、
いい部分だけでも生かそうとか、守ろうとか、そんなん出来る次元とっくに超えてんだ!!
生き方とか!姿勢とか!!存在そのものに『癌』が宿ってんだよ!!!
消す以外なんもねえ!!!
そうしなきゃ…全部の世界が魂ごと消されちまう!!!!(じわっ!)
限界なんだよ!!!!!」
ぽとっ←涙が床へ落ちる
そう…彼は泣き叫んだ…
きっと、守る為に幾度も無茶をしたんだろう…
ケイトが…
それを守ろうと…ただただ、必死だったのが見て取れた…
癌とは…世界そのものへ寄生し、取り入り、食い物にする魂そのもの
沢田綱吉も、ベル・クラネルも、癌の魂
共通して…「自分の理想」を『強要する』「傲慢な人間」だった
仲間や家族を心底大切に思いながらも、「自分の望み」を叶える為にその良心や親切心をも利用してるサイコ野郎
という扱われ方なら、そういうキャラとして納得出来た
『所業云々』より、盲目的に美化され過ぎている
好感を抱いている人からは好きだから、と許されてはいるが
そうでない人からすれば先程言ったように怨みしかない
そんなものに…食い物にされてまで、肩入れする必要は無い
守る必要も無い
それが『神々の本意、総意(願い)』なんだろう…
ベル・クラネル…【ヘスティア・ファミリア】は、キリが無いくらいのトラブルを招いてしまっている
実は…本格的な活動開始時から、かなり問題的なファミリアと言えなくもない
活躍が注目される一方で、『実害も半端ではない』
しかも尻拭いは全て他人任せ
その為、他の冒険者は勿論、一部の神々やギルド職員の中にすらも、【ヘスティア・ファミリア】の存在自体を目障りに思い、機会があれば潰そうと目論む者が少なからずいる
重罪とは…実害とは…相手が許せばいい、という訳ではない
法の力を示さねば、これからも同じことをする輩を止めることが出来ない
あの所業を許せば、次も同じような者が現れた時許さねばならなくなる
被害者がどれほど許せなくても…
だからこそ…というのもあるのだろう…
